FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

gray

[訳]

車は首都高に、入ろうとしていた
ノブ「美貴、どの辺まで?」
美貴「…どっか、適当な所で、いいよ」
ノブ「いいよ、雨だし、送るよ」
美貴「…」
どこ行くつもりだったんだろう
ヤケになってるだけだったら……
ノブ「急ぐの?」
美貴「…別に…」
けだるそうに答える美貴
ノブ「何処に行くつもりだったの?」
美貴「…仕事、探すの」
ノブ「あては?」
美貴「…」
ノブ「…美貴、あのさぁ…」
美貴「大丈夫よ…」
  「女は、直ぐ、働けるから」
ノブ「…」
美貴「お水でも、風俗でも…」
ノブ「ふざけんな!」
美貴「…真面目だよ…」
美貴、ヤケになってらぁ
ほっといたら、何、し出かすかわかんねぇな…
俺は、自分の家に向かった
行く、あてない美貴を、放り出す訳に、いかなかった
車を地下駐車場に停めた
ノブ「着いたよ」
美貴「…」
ノブ「行こう」
美貴「どこ?」
ノブ「俺ん家」
美貴「…」
ノブ「どうした?」
男の一人暮らしの部屋だから、
やっぱ、警戒するよなぁ
あんな事、あった、ばかりだし
美貴「…」
ノブ「美貴……」
ぐったりしてる美貴
ノブ「おい、美貴、大丈夫か?…」
美貴の肩を抱え、エレベーターへ
何とか、部屋に運び込んだ
ノブ「熱、あるよ」
美貴「…」
ノブ「寝てな…薬、買ってくる」
  「風邪ひいたんだよ…」
  「いいか、寝てろよ」
美貴をベットへ寝かせ
薬局に、急いだ
ノブ「ゆっくり寝ろよ」
  「元気になったら、」
  「考えよう、」
  「今は、とにかく、寝てな」
美貴「…うん…」
薬を飲ませ、美貴をベットで寝かせた
部屋の扉を閉め、
俺は、リビングへ
美貴、地元に居づらいのかなぁ
裕也とは、やっぱ、ムリかぁ
テーブルに置いた、
美貴の、壊れた携帯を見て、思った
何で、こんな事になったんだろう
夜、俺はソファーで寝た
なかなか寝付けなかった
色々考えてしまうし
隣の部屋に、美貴が寝てると思うと…
何考えてんだ俺…
寝なくっちゃ…
…寝れない  、物音がした
美貴が起きたみたいだ
俺、寝たふりをした
何話していいか、わからないし
美貴、トイレから出て来たみたいだ
寝たふり寝たふり……
ん…
気配が、近くに…
美貴「…ノブ…」
  「寝てるの?」
ノブ「…ん…」
  「美貴、大丈夫か?」
いかにも、今、目を覚ましたって感じで、体を起こした
美貴「起きてたんだ…」
ノブ「……」
部屋暗いから、顔、よく見えないはずだけど
今、俺、かなり、
変な顔したかも、ばつが悪いなぁ
ノブ「熱、どう?」
美貴「…楽になった…」
  「…ありがとう…」
ノブ「そっか、」
美貴「少し、話してもいい?」
ノブ「うん」
美貴「裕也から、何か、聞いた?」
ノブ「何も、聞いてないよ」
  「今日、会ったから…」
  「あいつとも…」
美貴「…そう…」
ちらっと時計を見ると
午前2時をまわったとこだった
美貴「目茶苦茶になっちゃった…」
  「…何もかも…」
ノブ「…」
美貴「もう、全てが嫌…」
ノブ「…いっこづつ、」
  「解決してかなくちゃね」
美貴「解決って、何を?」
ノブ「何って…」
  「美貴の、抱えてる、問題っていうか…」
美貴「…」
ノブ「直ぐには、ムリでも、なんとか…」
言葉に詰まる
ありきたりの、わかったような台詞で
美貴に、何が伝わるっていうのか…
美貴「前向きに…なれないよ…」
ノブ「ヤケにだけはなっちゃダメだよ」
美貴「…」
ノブ「しばらく、ここに居なよ」
  「ゆっくり、考えな…」
美貴「…」
ノブ「…気の利いた、台詞…知らないから…」
  「ありきたり、だけど…」
  「力が、湧いてくるまで」「ゆっくり、するしか…」
美貴「……」
ノブ「人の噂なんて、そのうち…」
美貴「ノブ、ホントに何も知らないんだね…」
ノブ「…」
美貴「…私は、居る場所すらないの…」
  「友達も、家も、」
  「仕事も…」
  「みんな、無くなっちゃった…」
美貴、泣いてる…
顔はよく見えないけど
確かに、美貴は、泣いていた
美貴「私が、何をしたっていうの…」
  「何か、悪い事した?!」
  「なんで、なんでこんな目に合わなくちゃならないの?!」
  「教えてよ!」
  「…」
感情的になってる
ムリもないけど
美貴「…ごめん…」
  「ノブ、被害者だもんね」
  「私が、電話しなければ…」
ノブ「美貴…」
  「俺にも、わからない…」
  「けど、今、美貴が大変な思いしてるのは、わかる」
  「…」
  「何で、東京で、働くの?」
美貴「…手っ取り早いでしょ…」
  「寮があって…女が働く場所…」
ノブ「反対はしないけど」「それ、ちょっと待ったね」
美貴「…」
ノブ「よく、考えよう」
  「美貴が嫌じゃなきゃ、ここに居ろよ」
  「今の、美貴、冷静じゃないよ…」
  「一緒に、考えよう」
  「それから、行動したって、遅くないよ」
美貴「…」
ノブ「焦る事ないよ」
美貴「優しいね…ノブは…」
ノブ「…」
美貴「つい、甘えちゃう…」
ノブ「困ったときは、お互い様、だよ」
美貴「…」
ノブ「どうした?」
美貴「知っても、そんなに優しくして、くれるのかなぁ…」
  「…みんな、変わっちゃうんだ…」
  「笑われ、」
  「馬鹿にされ…」
  「蔑むように…」
ノブ「…」
美貴「母は…」
  「はしたないって……」
  「そんな子に、なったのかって…」
鼻をすすりながら、美貴が泣いてる
美貴「父は、我が家の恥だって…」
美貴「裕也なんか……」
  「私を、キタナイって…」
  「友達も、言葉じゃ、同情してるけど、みんな、笑ってるんだ!」
  「犯された女!」
  「輪姦された女って!」
テーブルに置いてあった、美貴の壊れた携帯を、
美貴が腕で払い飛ばした
壁にあたって、床に落ちる携帯電話
美貴「私の居場所、帰してよ!」
狂ったように、泣く、美貴だった
俺、言葉が出ない
男には、美貴の痛みを理解しきれないのかもしれない
美貴「…ごめん…」
少し、冷静になったのか、消えるような小さな声で、美貴が言った
ノブ「俺は、笑ってないし」
  「蔑んでもないよ」
美貴「…」
ノブ「何で、みんなが知ってるんだ?」
美貴「……」
ノブ「誰かが、話したのか?」
美貴「…」
美貴が押し黙ったまま
ムリに聞くわけにもいかないし
美貴「…パソコン…ある?」
ノブ「あるよ…」
ノートパソコンを出して、テーブルに置いた
液晶画面の明かりで、美貴の顔が見えた
悲しそうな
いや、生きる気がないような
そんな顔に見えた
目を合わせたらいけない
見ないようにしよう
そう思った
美貴「…」
美貴がパソコンの画面を俺に向けた
ノブ「!」
美貴「わかるよね…私だって…」
美貴が、レイプされてる動画だ
写真もある
ノブ「な、何で…」
いくつか、削除されてたりするけど
ネットに出回ったら
回収は、ほぼ、ムリだ…
美貴「誰かが、流したんでしょ」
  「あいつら、売るつもりだったみたいだし…」
ノブ「売る?」
美貴「見てよ…」
  「こんな、変態行為までされて…」
  「AVにでも、出ようかな、私、雇ってもらえるかな…」
ノブ「……」
バタンッ!
パソコンを力任せに閉じた
ノブ「…」
美貴「…ね、…居場所なんて、…何処にも、ないでしょ…」
ノブ「…」
憤りを感じた
美貴「…携帯…新しくしても、番号変えなかったの…」
  「裕也、連絡くれるって、…信じてたから…」
  「裕也から連絡来て」
  「別れ話しになるのは、仕方ないって、思った…」
  「誰だって、嫌だよね…」
  「レイプされた女なんて…」
ノブ「…」
美貴「…けど、…裕也は…」
  「別れようとか、そんな話しじゃなく…」
  「……私を責めるだけだった…」
  「裕也のせいで、こんな目にあったのに」
  「ごめんの一言もなく…」
  「……」
美貴の顔が悲痛な表情になった
美貴「私に同じ事をしたのよ…」
  「アイツらと…」
  「この、画面を私に見せて……」
  「こんな事までされやがってって…」
  「ガキどもに、使われた身体なんだから、いいだろって…」
  「筆卸し、してやったんだろって…」
  「性欲剥き出しで…」
  「涙も、出なかった…」
  「現実じゃないって、思った」
  「…結局、裕也は、身体だけだったんだよ…」
  「ヤリたいだけで、私と、付き合ってたんだよ」
ノブ「…」
美貴「あのときだって、私を助けるより、」
  「アイツを殴る方が大事だったのよ」
  「ノブが倒したんじゃない」
  「後から、抵抗出来ない人を殴って…」
ノブ「…悔しかったんだよ…裕也…」
美貴「…悔しい?…プライド?…」
  「自分の事ばっかりじゃない!」
  「元は、全部、裕也のせいなのよ!」
  「居酒屋で、終わりにしておけば良かったのに!」
  「後から、あんな奴らに喧嘩売りに行って」
  「勝って来たって、はしゃいでて…」
美貴「…最低だよ…」
  「アイツ…」
ノブ「…どうして、美貴が?…あんな目に…」
聞いたら、マズイかと思ったけど…
聞かなきゃ、何も、わからないから…
美貴「…裕也からメールが来て、夜、会いに行ったの…」
  「そしたら、」
  「裕也、アイツらに、捕まってて…」
  「私は、ムリヤリ車に乗せられて…」
  「口で、したら、許してやるって…」
  「裕也の見てる前で、させられたの…」
ノブ「…」
美貴「結局、泣いても、喚いても…」
  「どうにもならなかったわ」
  「犯されたのよ…」
  「何人にも…」
  「写真、撮られて…」
  「脅されて…」
  「毎日、ビクビクしながら暮らしてた…」
  「また、呼びだされて、」「犯されて…」
  「金持ってる奴、呼べば、勘弁してやるって…」
  「助かりたい、一心で、」ノブに…
  「、電話したの…」
ノブ「……」
美貴「……、最低なのは、私も同じだね…」
ノブ「でも、美貴は躊躇して、電話を切った」
  「メールは奴らだろ…」
  「初めて見たもんな、絵文字もない、美貴のメール…」
美貴「…」
ノブ「結果、よかったじゃん」
  「そういう奴らは、何だかんだ言って、
   ズルズルと因縁つけてくるよ」
  「決着ついて良かったんだよ」
  「何年もそんなの続いたら、…おかしくなっちゃうよ」
美貴「…」
ノブ「いい方に、考えればそうだろ」
美貴「…」
優しい言葉なんか、意味がない
美貴は、結論を出してるんだ
何が真実か
原因は何か
これからどうしたらいいかが、わからないだけだ…
ノブ「地元がダメなら、新しい場所で、始めればいいし」
  「つまらない、友人なんか、いらないじゃん」
  「過去は、変える事、出来ないけど」
  「未来は選べるよ」
  「とにかくヤケになっちゃダメだよ」
  「安易に風俗とか言うなよな…」
美貴「…」
ノブ「返事は?」
美貴「…うん…」
カーテンの外が明るくなってきてた
朝が来たんだ
美貴「…しばらく、ここに居て、いい?」
ノブ「もちろんだよ」
美貴「…」
ノブ「少し、休みな」
  「寝てないんだろ…」
美貴「…眠れないの…」
ノブ「じゃあ起きてよう」
  「何か飲もうか?」
冷蔵庫を開けたけど何も無い
ノブ「コンビニ行ってくるよ」
美貴に声をかけて、部屋を出た



スポンサーサイト
[PR]

[PR]

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

俊彦

Author:俊彦
今まで読んで気に入った作品を記載していきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。