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保健の先生

保健の先生 17

結局姉貴は夜11時頃に電話がかかってきて
友達の所に泊まるからと言ってきた。
お袋はもっと早く電話して来いとか
ご迷惑じゃないの?とか言ってたけど
正直俺としては助かった。
ちょっとすぐに顔を会わせたくなかったしね。
心の中で
(お~そうしろ、そうしろ)と思ってた。
ま~姉貴も気が短い分だけ
切り替えも早い方だからね、
お互いその事には触れないで
風化するのを待つしかないかなと・・・。

そんなこんなで結局、
約束の土曜日を迎えたわけなんだけど、
そんなことがあったからって訳じゃないんだろうけど
妙に冷静っていうか約束の日の事を
意識せずにその日を迎えちゃったわけ。
行く時間直前までラブホに行く事自体に
リアリティを感じられなかったんだよね。
ま、それは俺がプールクリアして以降
先生の俺への対応が普通になったというか
特別な生徒を扱う感じじゃなくなったってのもある。
多分先生も意識的に俺を
遠ざけようとしてたんじゃないかな、
無理も無いけど。
普通ってよりもむしろ他人行儀だった気がする・・。
敬語なんか使っちゃったりして。
「○○クンこのプリント
 ○○さんに渡してくれますか?」とか、
おいおい先生と関係する前だって
先生そんな言葉使いしなかったじゃんとか思ったけど、
今にして思えば
俺だってそんなに信用できるかどうか分からないし
変に周りに俺が先生との
体験談とかチクっちゃったら・・・
とか思ったんじゃないかな。
逆の立場だったらマジ緊張もんだと思う。
可愛そうに・・・。

だからもうほとんど先生が来てくれることなんか
有り得ないのにトキメいてもな~みたいな。
ま~自ら約束したんだから行くだけ行ってみるか?
みたいな感じで完璧惰性って感じだった。
で、結局4時ぐらいになってあ~ダルイなぁ・・・
とか思いつつ一応身支度してね。
ドアを開けたのよ。
真夏の4時っつぅとね、
もー殆ど昼と同じ明るさなんだよね。
約束したときは夕方って意識だったんだけど
「ありゃちょっと約束早すぎたかな?」
と思った記憶がある。
だってこんなに明るいのに
ラブホ前で待ってる厨房ってちょっと怪しくない?
いや実際怪しいんだけど。
人目ひくだろ?とか思って・・・。
それでもまぁテクテクと
30分の道のりを歩き始めたわけ
30分あれば着く道のりを1時間前に出たんだからね。
相当時間的に余裕がある。
おれは歩道のわきの盛り上がった部分の上を
歩いたりしてチンタラチンタラ歩いてったわけ。
ちょっと先生の事に思いをはせて見る。
明るい盛りにラブホ前で待つ先生・・・。
(ブハ有り得なね~!超有り得ねぇ)
一人想像しながらあまりのリアリティの無さに
思わず噴出す俺だった。
俺が何でそのラブホを選んだかと言うと
この辺では珍しく民家が少ない
っていうか周辺が雑木林だったの。
まぁ逆に言うとだからこそ
ラブホが建てられたってのもあるんだろうけど。
で、そこに高速だけが上をスーっとコンクリの無機質な
グレーでビヨ~ンと長ったらしく通ってるだけなわけ。
要するに人目がないんだよね。
だから選んだという・・・。
で結局、最大級にチンタラ歩いても
20分前後でその雑木林が見える所まできちゃった・・。
時計を確認する俺。
「はやっ」
まだ4時20分かよ、
不思議と時間を引き延ばそうと思う時に限って
時間がたつのが遅いんだよな。
あ~もうそう思ってる間にも
雑木林が目の前に迫っているわけ・・。
痴漢注意と赤い文字で書かれた看板が目に入った。
確かに痴漢が出そうな雰囲気だった。
だってエロ本とか無造作に捨てられてんだもん。
雨ざらしになって変色したりして。
が、逆にそれが妙に厭らしさを感じさせるんだよな。
実を言うと何で俺がここのラブホを
知ってたかと言うとこのエロ本拾いを
小学校のころ友達としてたからなんだが。
で、まだ明るいのにもかかわらず
気の早いヒグラシっていうの?
あのカナカナカナ・・・
とか夕方になると物悲しく鳴くセミ。
あれが鳴いてんのよ。
あのロケーションで鳴かれると
何だか雑木林に死体でも捨てられてんじゃね?
みたいな気になるわけ。
実を言うと小学校の頃、
実際ここに虫取りに来た友達が、
そこで自殺してる奴見つけた事あんのよマジ。
ノイローゼだったらしいんだけどね。
いや、んな事はどうでもいい。
そんな余計な事を考えるから
ますます気持ちが萎む俺だった。
(あ~やめときゃよかったな)
と思いつつもここまで来ちゃったら引っ込みがつかない。
俺は雑木林の中の舗装された細い道路を
テクテク歩いていったわけ。
あ~もう!蚊ウザイ!
やぶ蚊がプンプンいってんの。
俺は歩調を速めてラブホに向かって歩いていった。
ラブホは雑木林を抜けたところの
ちょっと坂を上がった小高いところにある。
ま~いわゆる普通のラブホだ。
見えてきた見えてきた・・・。
さすがにここまで来るとちょっとドキドキする俺。
(先生が来てたりして?)
みたいなありもしない妄想が急に脳内を巡り始めた。
もうあとちょっとでそれが確認できる位置だ。
が、確認したいような確認したくないような
複雑な気持ちに襲われる俺だった。
だって居ないの確認しちゃったらもう終わりじゃん?
俺は意図的にインコース側を歩き
確認しにくい位置で歩を進めたわけ。
が、んな姑息なジラシ自演術など
大した引き延ばしにもならないわけで。
もう俺がヒョイとアウト側に体を傾ければ
ラブホの入り口部分を確認できるところまで来てしまった。
急に立ち止まる俺。
(ど、どうしよ?せ先生が立ってたら・・・)
馬鹿な俺はこの期に及んで急にトキメキはじめてんの。
深くス~っと息を吸いハァ~と吐き出す。
で、ゆっくりと体を右に傾けはじめる俺。
(た、頼む居てくれ・・・
 いや居るわけね~・・・いやでももしかして・・)
ドックン!ドックン!と波打つ心臓の鼓動。
え~い!面倒くせー!
俺は意を決し体を完全に右に逸らし
ラブホの入り口部分を確認したわけ。
(・・・・・・・居ない・・・)
人っ子ひとり居ないわ
(ま、そりゃそうだ)
急に現実に引き戻される俺だった。
そうだよな~居るわけねんだよハハ。
しかし一応約束したんだから入り口まで行こうっと・・・。
俺はテクテクと入り口まで歩いていった。
はは~んなるほど中は見れないようになってんだな、
何ていうの?
ビニールののれんじゃないけど
門の上から下がってて車が入っても中は
見えないようになってんのよ。
初めてマジマジ見て知る俺だった。
門の脇に空室ありって表示されてる。
ま、そりゃそうだな。
こんな明るいうちから
セックスしようなんて思う馬鹿は俺ぐらいなもんだろ。
と妙に納得する俺だった
一応ご休憩料金とご宿泊料金を確認する俺だった。
馬鹿な俺はセックス相手も居ないのに
一応財布の中を見て足りるか
確認してたのを今でも覚えてる。
(うんうん一応足りるな使わないけど)
そう思いながら時計を確認する4時45分。
う~ん・・・一応な、約束だからな。
時間まで待つか?
そう思いながら、
いくらなんでもラブホ前に厨房が
突っ立ってるわけにもいかないから
雑木林の坂の下まで降りたところで
待つことにしたわけ。
どのみち先生もこっちから来るわけだし、
先生の赤い軽自動車が来ればすぐにわかる。
とりあえずボーっと時間が経つのを待つ俺だった。
フぅ・・・何であんな約束しちゃったかな?
腰に手をあて自分にあきれる俺だった。
するとそのときだ・・・。
ゴロゴロゴロと
地響きにも似た小さな音が聞こえんの。
つい最近聞いた事のあるいや~な音だ・・・
俺は恐る恐る空を見上げた。
晴れている・・・。
が、むこうの方にこないだ見たのと全く同じ
真っ黒い雷雲が迫ってきてたのである。
やっべ!
俺は同じ過ちを繰り返したくない気持ちで
一瞬帰ろうと思った。
が、そこが青さというか若さなんだよな。
俺の中の青春君が
(お前約束したのにこんな事で
 逃げていいんか?ヘタレが!)
と言うのである。
今なら間髪いれずに
(いいんです!)と即答するとこだが、
俺は要するになんと言うか・・・
豪雨に打たれながら先生を待つ
自分を演じたくなっちゃったわけ。
そうこうしてる内に雷鳴が大きくなりピカッ!
と稲光が間近にせまっている・・・。
この徐々に迫ってくる感じの怖さってのいうのは
ちょっと言葉では言い表せないね。
さっきまですっごい明るかったのに急に真っ暗になるし。
怖ぇ怖ぇ。
ポツ・・・ポツ・・・と頬を打つ雨粒。
あ~来た来た。
好きなだけ降ってください
俺は大きく両手を広げてプラトーンばりに
この豪雨を受けてとめてやるぜ!
格好よく(どこが?)
もう完全に自分ワールドに入る俺だった。
ポツ・・ポツ・・ポツポツ・・ぽつぽつ・ビシャビシャ!
ビシャ!ドッシャー!!!!と、
俺の心の声が天に聞こえたのか
プールを
ひっくり返したんじゃないか?っつぅもんの凄い豪雨が
俺の顔面を叩き始めたわけ。
(まけんぞ!俺はまけん!)
かんぺき青春君に心を支配された俺は
意地でも動かぬ気持ちだった。
ドガーン!!!とすごい雷が雑木林に落ちた。
たまげた、これにはマジ。
本当に間近に落ちると雷って鉄臭い。
これはこのとき初めて知った。
あ~俺死ぬんだ・・・
先回りして悲劇の主人公を演じはじめる青春君。
俺がここで死んだと知ったら
先生だけが死んだ理由分かってくれるんだな。
な~んて超マヌケなことを思ってた。
先生泣いてくれるかな?
な~んてな。
が、状況はそんなのんきな事を言ってる場合じゃない。
すでに許容量オーバーになった
ドブにかかったコンクリートの隙間から
ゴポゴポと凄まじい噴水を上げはじめている。
雑木林はかなり低い立地条件にあるため
見る見る俺の足元に水が迫ってきていた。
俺はしょうがないので
小高いラブホの方へ引き返したわけ。
水かさがどんどん増してきている。
さすがに心配になって空を見上げる俺だった。
が、黒い雷雲は全く勢いを衰えさせる気配を見せない。
ラブホの所まできたら暗くなったからなのか
料金灯とラブホのネオンが灯りはじめた。
とりあえずここにかくまってもらうか?
と現実クンが俺にささやきかけるが
(ダメ!それ格好イクナイ!)と青春君が却下する。
結果俺は延々と土砂降りの中に晒されることに・・。
(バチだな、先生にひどいことしたバチだきっと)
俺は雨に打たれながらそう思っていた。
時計を確認してみる、もう5時40分・・・。
先生は絶対に来ない、もうそれは決定だ。
それは受け入れよう。
が、雨が止むまでは立っていよう、これはもう意地だ。
格好悪い状況だけにここだけは意地でも逃げたくなかった。
バチだと思って受けよう。
そう思って顔から滝のように流れ落ちる雨を
拭わずに立ち続けてたわけ。
あまりにみっともなくて
泣きそうな情けない気持ちだったけど。
雨が目に入るもんで雨で真っ黒になった
アスファルトの道路だけ見てた。
パシャパシャ跳ねる雨の勢いが増したり
少し収まったりするのを見てた。
も~ボーっとして何分そうしてたのかもわかんね。
正直。


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