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[東京へ]

あれから、2週間が経った
だいぶ、顔の腫れもひいてきたけど、
心は晴れなかった
俺は、東京に戻ると両親に言った
母親は、喧嘩して警察沙汰なんて、と、歎き、
まだ、グズクズ言ってるし
父親は、夏だからって、浮かれてるからだ
と、説教
仕送りは、学費と家賃だけにするだってさ……
バイトして、社会勉強しろだと
社会って、なんだよ
………
まぁ、両親にしてみれば
口うるさくもなるよな
美貴の事は、話してないし…
一人っ子だから、心配なんだろうけどね…
裕也に、会ってから、帰るか…
電話しにくかったから
メールを送った
帰る日の午前中に、
中央公園で待ってるから
と、送った
中央公園のパーキングに車を停め、待ってた
裕也、来るかな…
小雨降る中、傘をさして、歩いてくる奴が居た
裕也だ!
ノブ「……乗れよ…」
裕也が助手席に座った
ノブ「……」
裕也「……」
会話に詰まる
ノブ「怪我は?」
裕也「だいぶ、いい…」
ノブ「…俺、東京へ、帰るわ…」
裕也「そっか…」
ノブ「バイクは?」
裕也「…廃車…」
  「捨てられてた…」
ノブ「……」
奴らに、バイク、取られてたのか…
裕也「……」
時間だけが過ぎて言った
ノブ「…美貴は?…」
裕也「………」
聞かない方が、よかったかな…
裕也「…呼んだ…」
ノブ「…ここに?」
裕也がうなづいた
美貴が来るかどうか、わからない
けど
何も話さず、ただ、雨を見ながら、
沈黙を続けていた
女物の傘
美貴?
俺は、ドアを開け、車から降りた
ノブ「美貴…」
美貴「……乗って、いい?」
ノブ「あぁ…」
美貴、長い髪をバッサリ切って
まるで別人の雰囲気になっていた
いつも華やかな格好だったのに
ジーンズとシャツ、
本当に、美貴なのって、思ってしまうぐらいだった
美貴が、後部席に座った
美貴「話しって、何?」
静かに、美貴が言った
裕也「ノブが、帰るって言うから…」
美貴「…」
  「それだけ?…」
裕也「……」
ノブ「俺、しばらく出てるよ」
  「二人で、話す事、あるだろ」
それなりに気を効かせたつもりだった
美貴「何も無いわ!」
強い言葉だった
美貴「二人で話す事なんか…」
ノブ「…」
裕也「やり直そうよ…」
美貴「はぁ?……」
  「……正気?…」
かなり、険悪な雰囲気だけど
わからなくもない
やり直そうって、言える、裕也は、凄いと、思った
美貴だって、
そばに、裕也がいれば…
裕也「…ダメかなぁ?…」
美貴、全てを忘れたいから、
裕也と、別れたいのかな?…
ノブ「口出す事じゃ、ないかも、だけど……」
  「話すだけ、話した方が、よくないかなぁ…」
美貴「…もう、何も、ないよ…」
裕也「俺なりに…」
美貴「いい加減にして!」
感情的な美貴だった
裕也の言葉を遮る、美貴
美貴「あんた、何をしたの?……私に」
  「あのときだって、ノブが助けてくれたんだよ」
  「あんたは、何も、してない!…」
裕也「…」
美貴「裕也、私に、言ったわよね…」
  「ガキに、輪姦されやがって…」
  「そんな女、いらねーって…」
  「元々は、あんたのせいじゃない!」
  「……」
  「消えてよ…」
  「私の前から…」
  「二度と、現れないで…」
雨が激しさを増してた
車の屋根を叩く、雨音が
ひどく耳障りだった
美貴「早く、消えて…」
  「私は、ノブに、話があるの…」
裕也が車を降りた
裕也「…元気でな…」
ドアが閉められた
俺に言ったのか?
美貴に言ったのか?
裕也は背中を向けたまま
傘もささずに
立ち尽くしていた
美貴「…車…出してくれる…」
雨音に、消されてしまうぐらい、小さな声で
美貴が、言った
俺は、車を走らせた
バックミラーに、裕也が写る
こっちを見ずに、
裕也は、立ったまま、
雨に濡れていた
あてもなく、車を走らせた
美貴も、何も、話さない
適当な所で車を停め
俺は自販機で、缶コーヒーを買って、戻った
黙って、後部席の美貴に渡した
美貴「巻き込んじゃって、ごめんね…」
ノブ「俺は、へーきだょ」
美貴「怪我……」
ノブ「大丈夫、」
  「気にすんなって…」
美貴「…」
美貴の携帯が鳴った
美貴、しばらく携帯を見てたけど、電話に、出なかった
また、美貴の携帯が鳴った
美貴、急に車から、飛び出した
ノブ「!」
慌てて、俺も降りた
美貴……ずぶ濡れになりなから
携帯を、地面に叩きつけた
美貴「…はぁ、はぁ、はぁ、…」
感情的になってるんだ
肩で息をしながら、
叩き付けた携帯電話を見てる、美貴
ノブ「……」
俺は、壊れた、真新しい、美貴の携帯を拾った
ノブ「風邪ひくよ…戻ろう…」
立ち尽くす、美貴の肩を抱き、車に乗せた
泣いてるのかな…
ずぶ濡れだから、わからないけど
美貴「……んでしょ…」
ノブ「えっ?」
美貴「東京……行くんでしょ……」
  「…乗せてって…」
ノブ「…あ…あぁ…」
  「いいけど……」
うつむいたままの美貴
また、飛び出されても、困るし…
自殺とか……ないよなぁ
考え過ぎだよな…
俺は、車を走らせた
東京へ、向け
ワイパーが激しく、動いてる
音楽を聴く雰囲気でもないし
美貴は、左の窓から外を見ている
顔を見られたくないのかな
話しかけにくいなぁ
美貴「…ノブ…」
  「何から、話していいか…」
ノブ「うん…何からでも、…聞くよ」
美貴「…まとまらないんだ…」
ノブ「いいじゃん」
  「上手く、話せなくったって」
美貴「…うん…」
ノブ「東京まで、まだ、長いし」
  「話せる事からで、いいんじゃね…」
美貴「…ノブは…」
  「何も、ない?…」
ノブ「正直…」
  「何、話していいか、」
  「わかんない、から…」
美貴「……そうだよね…」
ノブ「…」
美貴「お父さん、」
  「弁護士、入れたの」
ノブ「弁護士?」
美貴「ノブ、過剰防衛に、なるかもって…」
ノブ「あぁ、言ってたな」「お巡りが…」
美貴「大丈夫だから」
  「…あいつ…薬物中毒で…」
  「家からも、薬、見付かったって…」
ノブ「…」
美貴「ノブには、迷惑、かけないように…」
  「もう、かけちゃってる、けど…」
ノブ「迷惑じゃないよ、」「仕方ないさ」
美貴「私が、電話しなければ…」
ノブ「仕方なかったんだよ」
  「それで、いいじゃん」
美貴「…」
ノブ「…」
美貴…辛いだろうな、
俺にまで、あんな姿、見られちゃって…
美貴「何で、怒らないの?」
ノブ「何を、怒るんだよ」
美貴「私のせいで…」
ノブ「美貴のせいじゃ、ないだろ」
美貴「でも…」
美貴と目が合った
泣き出しそうな…
いや…
泣き止んだばかりかな
目が真っ赤だった
ノブ「パーキング、寄るよ」
  「トイレ行きたいから」
美貴「…」
強引に、話題を変えた
アメリカンドックと
缶コーヒーを買って戻った
ノブ「雨、すげーなぁ」
  「食べようぜ」
明るく言った
美貴「…」
また、美貴は、黙ったままになってしまった
ノブ「さて、行きますか」
独り言を言い
高速の本線に戻った
美貴は、アメリカドックと缶コーヒーを持ったまま
また、外を眺めていた

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