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堕とされた母 佐知子

堕とされた母
-2-

翌朝。
いつものように登校した裕樹だが、
妙に肩に力が入っていたりする。
それは、裕樹なりの決意と覚悟の表れであった。
裕樹の背を押すのは、母から受け取った想いだ。
『今度は、ママも黙っちゃいないんだから』
『相手が誰だろうと、関係ない』
昨夜、母が見せてくれた、真剣な怒り。
……ちょっと、泣きそうになるくらい嬉しかった。
ママだけは、
なにがあろうと自分の味方でいてくれるのだ、と。
しかし、だからこそ、母には、
これ以上の心配をかけたくはない。
自分自身で、対処していかなくてはならない……。
(……いつまでもママに守られてばかりじゃ…
 僕もママを守れるようにならなきゃ……)
裕樹にとって、幼い頃から崇拝の対象であり続けた、
優しくて綺麗なママ。
性徴期を迎えて、
性的な欲望が母に向かったのも裕樹にとっては、
ごく当たり前のなりゆきで。
(そして、ママはそれに応えてくれた……)
昨夜も味わった、
母の柔らかな肉体の感触を思い出して、
裕樹は体が熱くなるのを感じた。
相姦の関係が出来てから、
裕樹の母への傾倒は深まるばかりだった。
このままの母との生活が続くこと、
それだけが裕樹の願いだ。
(……そのためにも、もっと強くならなくちゃな)
彼なりに真剣に、裕樹は誓っていたのである。
そして、そんな裕樹の決意は、
さっそく試されることとなった。
「やあやあ、コシノくん」
教室の前で、裕樹を呼びとめた、ふざけた声。
高本だった。目の前に立って、裕樹を見下ろす。
頭ひとつ以上も裕樹よりは大きいから、
見下ろすという表現に誇張はない。
長身にみあったガッシリとした肉づき、
不精ヒゲを生やしたイカツイ顔だちと、
とにかく中学生には見えない。
高本は、ニヤニヤと笑いながら、
裕樹に掌を差し出す。
「……なに?」
「なに、じゃねえよ。
 昨日、預けたろうが。俺のタバコ」
「……没収されたよ。見てただろ?」
「没収だあ? そりゃあねえや、
 まだほとんど残ってたのによ」
「……………」
「越野、おまえ預かっておいて、
 そりゃあ無責任じゃないの?どうしてくれるのよ」
昨日までの裕樹なら、
弁償するといって金を差し出して、
とっとと終わりにしているところだったが。
「…知らないよ」
「……ああ?」
「あ、預けたって、
 無理やり押しつけただけじゃないか」
目を合わせることは出来なかったが、
とにかくも裕樹は、そう言ってのけた。
周囲に居合わせた生徒たちが、
息をのむ気配があった。
「なに、越野。それ、なんかのネタ?」
ヘラヘラとした高本の口調に物騒な成分が混ざる。
「あんまり、面白くねえなあ、それ」
ズイと、身を乗り出してくる高本。
裕樹は、グッと拳を握りしめて、
その場に踏みとどまった。
(殴られたって) だが、その時、
「おいっ、高本」 後ろから掛けられた声に、
ひとまず裕樹は救われる。
現れたのは、高本と同じく、
宇崎達也の取り巻きの市村という生徒だった。
「あ、市やん、ちょっと聞いてよ。
 こいつ、越野がさあ」
「んなことは、どうでもいい」
急ぎ足に近づいてきた市村は、高本の言葉を遮って、
「達也が入院したってさ」
「えっ? 宇崎クンが?」
意外な報せに、
本当に裕樹のことなど、どうでもよくなる。
「なんで? 昨日は元気だったじゃん?」
「なんか怪我したらしい。
 今さっき、ケータイに連絡入った」
「マジで?」
「俺、今から様子見にいくけど」
「あ、いくいく、俺も!」
素早く話をまとめて、
始業前だということにもお構いなく、
無論、裕樹のことなど完全にうっちゃって、
高本と市村は去っていった。
それを、茫然と見送った裕樹。
「越野、やるなあ」
「見直したぜ」
あたりにたむろしていた連中に、
そんな声を掛けられて、我にかえった。
「別に……どうってことないよ」
務めてクールに返して、
自分の席についた裕樹だったが、
どうにも口元が緩んでしまう。
まあ、結果的に、
宇崎達也の負傷・入院というニュースに
救われたかたちではあったが。
とにかくも、
高本の脅しに屈することなく、
自分の意志を通したのだ。
(……よしっ!)
この小さな一歩をスタートにしようと、
裕樹は思いを新たにした。
教室内には、
宇崎の入院の情報が伝聞式に
広がって話題になっていた。
あまり、同情や心配をする雰囲気はなかった。
少数の宇崎シンパの女子が大袈裟に騒いでいるのが、
周囲からは浮いていた。
無論、裕樹もクラスの多数派と同じ心情であった。
直接、なにかされたことはないが…というより、
まともに会話したこともないが、
宇崎に対して、好意を抱く理由は、ひとつもない。
悪いようだが…これで、
しばらく宇崎が休むなら、
せいせいするとまで思ってしまう。
(……高本も市村も、慌てちゃってさ)
ボスの一大事に、
すわとばかりに馳せ参じていった
奴等のことを思い出して、哂う。
この朝、裕樹は、さまざまな理由で愉快だった。
いけすかない同級生を見舞ったアクシデント。
その“他人事”が、
裕樹にとっても大きな運命の分れ目であることなど、
この時点では知るよしもなかったから……。
そして、同じ頃。
出勤した佐知子もまた、そうとは知らぬうちに、
運命の岐路に近づいていたのだった。
夜勤の看護婦との引継ぎで、
「…特別室に?」
昨夜、
担ぎこまれた急患が特別病室に入ったという報告に、
佐知子は眉を寄せた。
年若な部下が手渡したカルテに、
素早く目を通していく。
一分の隙もなく制服を着こなし、
キリリと引き締めた表情でカルテを読む姿には、
熟練のナースとしての貫禄が漂う。
ここでの佐知子の肩書きは主任看護婦。
婦長や院長からも全幅の信頼を受けて、
現場を取り仕切る立場であった。
……この、理知的な美貌に気品さえ感じさせる女性が、
昨夜も息子との禁断の情事をもっていたなどとは、
誰も想像も出来ないだろう。
「……左足の骨折と、右腕の挫傷…?」
習慣的に、まず症状記録を目に入れて、
これなら特別病室を使うほどのこともないのでは?
と訝しく思った佐知子だったが。
患者の氏名を確認して、その疑問は氷解した。
「宇崎…達也?」
「そうなんです」
越野主任の驚きの、本当の理由は知らないまま、
若い看護婦はしきりにうなずいた。
「もう、昨夜はちょっとした騒ぎで……治療には、
 院長先生もわざわざ立会われましたし。
 それで、看護は越野主任におまかせするようにって、
 婦長が…」
「そう……了解したわ」
引継ぎを終えた佐知子は、ナース・ルームを出て、
特別病室へと向かった。
その名の通りの部屋。
若い看護婦たちの間では、
“スウィート・ルーム”
という符牒で呼ばれているというのが、
その性質を表しているだろう。
この市内最大規模の私立病院の、
経営方針を物語ってもいる。
その部分では、
いまだに佐知子は抵抗を感じるのだが。
高い給与という恩恵にあずかっているから、
文句を言える立場でもない。
エレベーターで五階へ。フロアは静かである。
一般の病室は、二~四階にあるから、
この階には患者や付き添い人の姿はない。
特別病室の最大のウリは部屋の広さや贅沢な設備より、
この隔絶性にあるのかもしれない。
過去に入室していた患者も、
社会的な地位のあるものばかりであった。
宇崎達也は、これまでで最年少の患者だろう。
(……宇崎達也か。こういうのも
 “噂をすれば影”って言うのかしら?)
人気のない廊下を歩みながら、
佐知子はにひとりごちた。
息子の裕樹から、その存在を教えられたのが、
つい昨晩なのだ。
あまり、良い印象は持てない伝聞であったが。
無論、“それはそれ”だ。
看護婦としての務めとは全く関係のないことだと、
わざわざ自分に言い聞かせるまでもなく、
佐知子の中で分別はついている。
病室の前に立つ。
プレートの氏名を確かめながら、ドアをノック。
はい、と、室内から落ち着いた応え。
「失礼します」
……その邂逅が齎すものを、今は知るはずもなく。
佐知子は、静かにドアを開けて、入室した。
……数時間後。
「マジで、ありえねえよ、宇崎クン。
 中学生のくせにバイクで事故ってケガするなんてさ」
高本の大声が、病室に響く。
「カッコイイんだかワルいんだか、
 判断苦しむもの、それ」
「カッコよくは、ないだろ」
ベッド脇に山と詰まれた見舞い品の中から、
果物を物色しながら、市村が口を挟んだ。
「うるせえよ。
 それに俺はバイクで事故たんじゃなくて
 ちょっと転んで怪我をしただけだ」
起こしたベッドに背をもたれた宇崎達也が、
そらっとぼけた。
いまのこの部屋の主である若者は、
パジャマ姿で、左足首をギブスで固め、
袖を捲くり上げた右肘に包帯を巻いている。
「表向きはそういうことになってんだから、
 間違えるなよ。だいたい、
 中学生がバイクなんか乗りまわすわけがないだろが」
「クク……、たしかに宇崎クンは優等生だからなあ。
 ヒンコーホーセイって、やつ?」
ぬけぬけとした宇崎の言葉に、高本が笑う。
市村は籠から取った林檎を弄びながら、
窓の外を眺めている。
この高級な病室に集まった三人は、
外見や雰囲気はバラバラだが、
とても中学生には見えないという点が共通していた。
宇崎も市村も、高本ほどではないが長身である。
なにより、顔立ちや言動に、
子供らしさというものがなかった。
「……それより」
市村が、宇崎に顔を向けて口を開いた。
この痩身の、
特徴のない容貌の少年は宇崎達也とは
小学生の頃からの友人で、高本と比べて、
達也への接し方に遠慮がない。
「なんで、時間をおいて来いって?」
時刻は、もうすぐ正午になろうという頃だった。
朝のうちに学校を抜け出たふたりの来訪が、
この時間になったのは、
達也からの再度の電話で、
昼まで待てと言われたからだった。
足止めをくった二人は、
繁華街をブラついて時間を潰してきたのだった。
「ああ。午前中は、
 親父の関係の見舞いが
 押しかけるって予測できたからな」
そう言って、
見舞いの花束や果物籠の山に皮肉な目を向ける。
「まったく。
 ガキの機嫌をとって、どうしようってんだか」
冷笑を浮かべると、
彫りの深い秀麗な顔立ちだけに、
ひどく酷薄な相になった。
このメンツ以外には、決して見せない表情だ。
つい先ほどまで、その見舞い客たちに対しても、
いかにも御曹司らしい
礼儀正しさで接していたのだから。
「でも、思ったよりケガが軽くてよかったよね。
これなら、わりと早く出られるでしょ?」
「まあ、そうなんだけどな…」
高本の問いかけに、達也は思わせぶりな間をおいて、
「……この際、少しゆっくりしようかと思って」
「なんで? つまんねーじゃん、
 こんなとこにいたってさあ」
意外な達也の言葉に、驚く高本。
市村も、探るような眼を達也に向ける。
達也は、ニヤニヤと邪まな笑みを浮かべていたが。
ノックの音に、スッと表情を変えた。
「はい。どうぞ」
柔らかな声で応答する達也。
そしてドアが開くのと同時に高本と市村へと向かって、
突如熱っぽい口調で語りはじめる。
「だから、午後からは、ちゃんと授業に出ろよ?」
「は?」
「そりゃあ、心配して駆けつけてくれたのは、
 嬉しいけどさ」
「え? はあ?」
やおら真剣な顔になって、
まったく似つかわしくもない正論をふるう達也に、
目を白黒させる高本だったが。
「……わかったよ。午後の授業には出るから」
「いいっ!?」
市村までが、気持ちしおらしい声で、
そんなことを言い出すに及んでは、
完全に絶句して、
ただ不気味そうにふたりを見やるだけ。
うん、と宇崎達也は満足げにうなずいて。
ドアのところに立って、
わずかに困惑したていで少年たちのやりとりを
眺めていた看護婦―佐知子に向き直った。
「すみません。食事ですね?」
「え、ええ」
佐知子は、
ひとりぶんの昼食を乗せたワゴンを押して、
ベッドに近づけた。
備え付けのテーブルをセットする。
手馴れた動きで準備を整える佐知子に、
三人の視線が集まる。
佐知子は、務めてそれを意識しないようにしながら、
手早く作業を終えて、
食事のトレーをテーブルに移した。
「ありがとう」 
達也が微笑を佐知子に向ける。
「あ、こいつらは僕の友人で、市村と高本」
「どうも」
高本の名を聞いた時、
佐知子の表情が微かに動いたが。
ペコリと、市村に頭を下げられて、
無言で目礼をかえした。
「僕のことを心配して、
 学校を抜けてきちゃったらしいんです。
 すぐに戻るって言ってるから、見逃して」
悪戯っぽく笑って、達也が言った。
……無邪気な笑顔に見えるんだから、
美形は得だよな。
そう、市村は内心に呟く。
佐知子は戸惑うように、
達也の笑顔から目を逸らしながら、うなずいた。
「……なにか、変わりはありませんか?」
「うん。大丈夫です」
事務的な口調で、佐知子が尋ねるのにも、
達也はあくまでも笑顔で答える。
「…なにかありましたら、呼んでください」
佐知子は最後まで生硬な態度を崩さずに、
そう言い置いて部屋を出て行った。
白衣に包まれた、
グラマラスな後ろ姿がドアの向こうに消えるのを、
三人はそれぞれの表情で見送る。
達也は微笑を浮かべて。
市村は無表情に。
高本は、いまだ要領を得ない顔で。
完全に佐知子の気配が遠ざかってから、
達也はふたりへと向いた。
「どうよ?」
そう訊いた口調も表情も、
ガラリと変わって、奸悪なものになっている。
「どうよ、って、なにが?つーか、
 俺が聞きたいよ!なんなの、いまのは?」
堰を切って、疑問をぶつける高本。
「宇崎クンも、市やんも、
 いきなりワケのわかんないこと言い出してさあ」
「うーん、アドリブが弱いよな、高本は」
「なんだよ、それ!?」
「その点、浩次はさすがだね」
「…あれくらい出来なきゃ、
 達也とは付きあってらんないよ」
「あー、イラつく! ふたりだけで解っちゃって」
「だから。どうだった? いまの女」
「いまの? 看護婦? ……乳、デカかった」
「ちゃんと、見てんじゃないかよ」
「ケツも、こうバーンと張ってて。
 それに白衣っつーのが、また…」
佐知子の肢体を思い出しながら、
熱っぽく言葉をつらねて。
そして、
ようやく得心がいった表情になる高本。
「……そういうこと?」
「そういうことだよ」 
ニンマリと笑って、達也がうなずいた。
「ふーん……けっこう年増だね」
「熟れたのは、嫌いだっけ? 高本くんは」
「いえいえお好きですよう。
 いいじゃない熟女ナース!その響きだけで、
 グッとくるもの」
「フフ……浩次はどうだよ?」
「面白いね。顔も体もいいし」
「お。いつになく、積極的じゃないか?」
いいんじゃない、
くらいの返答を予想していた達也は、
意外そうに見た。
「だって、あれ、
 うちのクラスの越野の母親だろ?」
「越野の?マジで?」 大仰に驚く高本。
「名前見て、ピンとこなかったのかよ?」
「名前?どこに?」
市村は、呆れ顔で高本を見やり、
自分の左胸を指差して、
「ここに。名札つけてたろう。おまえ、
 乳のデカさはしっかり観察しといて、
 気づかなかったのかよ」
「あ、そうだった? いや、ほら、
 あくまで大きさや形を見てるわけでさ。
 字とかは、ね」
「字とかって……もう、いいよ」
だが、その後の達也の言葉に、
市村はまた嘆息することになる。
「ふーん……うちのクラスに、
 越野なんてヤツ、いたんだ」
「……これだよ。まあ、予測してたけど」
興味のない相手には、
石ころほどの注意もはらわない達也である。
「小坊みたいなチビだよ、宇崎クン」
「高本が、しょっちゅうイジメてるヤツだよ。
 ほら、昨日も」
「……ああ、わかった。なんとなく」
実際、
“なんとなく…あいつかなあ”
くらいにしか思い出せなかったが。
いまは、その正確さが問題でもないから、
達也は適当にうなずいて、
「で、あの女が、その越野の母親だって? 
 間違いないのか?」
「多分ね。確か、看護婦だったし。
 そうある苗字でもないだろ」
「うーむ……、あの越野に、
 あんな色っぽい母ちゃんがいたとは。
 越野のくせに!」
わけのわからない理屈で、
勝手に憤っている高本は放置。
「……それでか。最初に会った時から、
 妙に態度が固かったんだ、あの女」
「まあ、いろいろ息子から聞いてるのかもね。
 だとしたら、俺たちには、
 いい印象はもってないだろうな」
「ああ、越野って、いかにもマザコンくせえもん。
 “またイジメられたよう、ママン”
 とか泣きついてそう。
 …あのデカい胸に? うらやましいぞ、
 このヤローッ!」
「……………まあ、マザコンってのは、あるかもな。
 確か、父親は亡くなってて、
 母ひとり子ひとりってやつだから」
「え? じゃあ、未亡人ってやつなの? 
あの、ムチムチ母ちゃん」
「確か、そうだった」
「…てか、なんで市やん、
 そんなに詳しいのよ? 越野の家のことなんかさ」
「どっかで聞いたっつーか、小耳にはさんだ」
「そんだけで?」
「浩次は、どうでもいいようなこと、
 よく覚えてるからなあ。ガキの頃から」
「まあね」
「あ、でも、今回は役に立ったじゃん。越野情報」
「役に立つっていうか、
 おさえといた方が楽しめるだろ?せっかく、
 こんなおいしいシチュなんだから」
「まったくだ」
達也が深くうなずいて。
少年たちは、悪辣な笑みを交し合った。
「ちょっといい女だから、
 入院中のヒマつぶしくらいの
 つもりだったんだけどな。
 こうなりゃ、俺も本気で攻略にかかっちゃうよ」
「おお、宇崎クン、燃えてるよ。
 こりゃ、越野ママ、中学生の肉便所、確定?」
「なにを言っているんだ、高本くん。
 僕は、寂しい御婦人を慰めようとしてるだけだよ。
 しかも、クラスメイトのお母さんを
 肉便所にだなんて……肉奴隷くらいにしときたまえ」
「おお、優しい」
「……越野も、気の毒に…」
しみじみとした市村の呟きに、
ゲラゲラと笑いが弾けた。
「……さて。じゃあ、君たちは学校へ戻りたまえ。
 僕も食事を済ませないと」
また、真面目くさった表情を作って、達也が言った。
思いの他に、謀議が長引いて、
佐知子が運んできた昼食には、
まだ手もつけていない。
無論、いまさら学校へ戻る気などさらさらないが、
達也の芝居に合わせるために、市村たちは腰を上げた。
「ああ、でもなあ……」 
未練げな声を上げたのは、高本だ。
「今回は、“口説きモード”で、いくんだろ? 
 だから、こんなサル芝居してるんだよね?」
「まあな」
「そっちのほうが、面白いじゃん」
「そりゃあ、わかるんだけどさあ……
 俺たちに、まわってくるまで、
だいぶ時間かかるよなあ。
 辛抱たまらんよ」
「テキトーに誰かで処理しとけよ……ああ、そうだ」
達也は、ふと思いついたふうに、
「なんなら、百合絵つかってもいいぞ」
「マジで!? いいの!?」
「好きにしろ。あいつなら、
 越野ママをヤる時の予行演習にも丁度いいだろ」
鷹揚に言って、ようやく食事にとりかかる達也。
「……市やん…」 
うかがいをたてるように、市村を見る高本。
どうやら、達也の見せた気前のよさは、
よほどのことであるようだ。
「…それだけ本気ってことだろ」 
そう言いながら、市村も驚きは隠せない。
「ちぇっ。すっかり、冷めてやがる」 
スープをひとくち飲んで、達也が舌打ちする。
言葉とは裏腹に、やたらと上機嫌だった。

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堕とされた母 佐知子

堕とされた母
-1-
「……まあ、越野くんは、
 日頃の生活態度も真面目ですし」
初老の担任教師が、
慎重に言葉を選びながら続ける。
「そんなことをするような子じゃないってことは、
 私もわかっておるんですが。ただ…」
応接セットの低いテーブルに視線を向ける。
そこには、一箱の煙草と使い捨てのライターが置かれている。
「裕樹くんが、
 これを所持していたことも事実でして…」
「………はい」
対面のソファに腰かけた佐知子は、
固い表情のまま小さく頷いた。
卓上の“証拠品”を一瞥してから、
隣に座った裕樹へと顔を向ける。
「裕樹。どうして、こんなものを持っていたの?」
「………」
「裕樹!」
項垂れたまま、なにも答えず、
顔を向けようともしない息子の姿に
思わず声が高くなった。
まあまあ、と教師にとりなされて、
なんとか気を落ち着ける。
「……あなたが、
 自分で買って持っていたわけじゃないでしょう?
 裕樹が煙草なんか吸わないことは、
 母さん、よくわかってるわ」
教師の手前をつくろったわけではなく。
佐知子は完全に息子の潔白を信じていた。
だからこそ、
本当の理由を釈明してほしかったのだが。
「…………」
裕樹は頑なに下を向いたまま、
肩をすぼめるようにしている。
それは佐知子には、見慣れた態度であった。
幼い頃から、気弱な息子の唯一の抵抗の方法。
「……どうして…」
ため息とともに、そんな言葉を吐き出しながら、
しかし佐知子には薄々事情が洞察できてもいた。
「先生」
佐知子は教師へと向き直ると、
改まった口調で切り出した。
「……あ、は、はい?」
担任教師の返事は、わずかに間があき、
うろたえた様子を見せた。
ついつい、
この美しい母親の横顔や肢体に視線を
這わせてしまっていたのだ。
状況を別にしても、
教職者として不埒なことではあるが、
同情の余地はあった。
受験を控えた中学三年クラスの担任となれば、
生徒の母親に接する機会も多いが。
越野佐知子の容色は、最上等の部類だった。
派手やかではないし、
年不相応に若々しいというわけでもない。
そんな押し付けがましさや不自然さと無縁の、
しっとりと落ち着いた美しさである。
成熟と瑞々しさのバランスが、
中学生の子を持つ年代の女性として、
まさに理想的だと思えるのだ。
さらに、いまの佐知子の服装が問題だった。
紺色の薄手のカーディガンの下は、白衣姿なのだ。
看護婦である佐知子にとっては、
あくまで仕事着だから
おかしな格好というわけではない。
勤務中に学校から連絡を受け、
大急ぎでタクシーで駆けつけたのだ。
それは、担任教師も承知している。
子を思う母心の表れだと理解している。
だが、ナースの制服とは病院以外の場所では、
やはり浮いて見えるし。
妙に……扇情的であるのだ。
機能的なシンプルなデザインは、
佐知子の成熟した肢体を強調して、
隆く盛り上がった胸や、
豊かな腰の肉づきを浮き立たせている。
膝丈のスカートからは、
白いタイツに包まれた形のよい足が伸びている。
キッチリと揃えらえた、
心地よい丸みの膝のあたりに、
どうにも目を吸いよせられてしまいそうになる。
ゴホン、と無意味な咳払いをして、
担任教師は佐知子と眼を合わせた。
白衣姿の美しい母親は、自分が、
実直だけが取り柄の老境の先生さえ惑わせる色香を
発散しているなどとは気づきもせず、
固い表情で語りはじめた。
「先生。親馬鹿と笑われるかもしれませんが、
 どうしても私には息子が隠れて
 喫煙をしていたなどとは思えません」
「え、ええ。それは、私も…」
「ただ、男のくせに気の弱い子で……こんなふうに、
 自分の思っていることも満足に
 主張できないところがあって」
辛辣な言葉を吐きながら、
横目で息子を見やる佐知子。
しかし、裕樹は俯いたまま、表情ひとつ変えない。
それが、ますます佐知子を苛立たせ、
以前から抱いていた懸念を吐き出させた。
「そこにつけこまれて、
 他の子からいろいろと無理を
 おしつけられているのではないかと。
 はっきり言えば、
 “イジメ”を受けているのではないかと」
「あ、いや、越野さん、それは」
イジメ、の一言に、教師は過敏な反応を示し、
裕樹もビクリと肩をこわばらせた。
佐知子は、再び裕樹へと体を向けて、
「どうなの?裕樹。あなた、
 三年のいまのクラスになってから、時々、
 傷を作って帰ってくることがあるじゃない。
 いつも、“転んだ”とか言い張ってるけど。
 あれは、
 殴られたりして出来た傷だったんじゃないの?」
「…………」
「あなた、他の子から、
 イジメられてるんじゃないの?
 この煙草も
 無理に押しつけられたものじゃないの?」
推測ではあるが、
そうに違いないという確信が佐知子にはあった。
「この機会に、
 母さんと先生の前で全部話してごらんなさい。
 あなたがちゃんと事情を打ち明ければ、先生が…」
「ま、まあ、お母さん、落ち着いてください」
言質をとられるのを恐れたものか、
慌てて口を挟む担任教師。
「……………」
しかし、懸命な母の説得にも、
裕樹は頑として口を開こうとしなかった。
……家へと向かうタクシーの中。
裕樹はチラチラと
隣に座った母の表情をうかがっていた。
佐知子は、窓の外に視線を固定して、
不機嫌な横顔をこちらに向けている。
(……まずいなぁ)
母の本気の怒りを感じとって、
裕樹はため息をつくと、
自分も車外へと目をやった。
毎日通りなれた通学路の風景が流れ過ぎていく。
学校から越野家へは徒歩で20分ほどの距離だが、
今日は佐知子の服装のことがあるので
タクシーを呼んだのだ。
夕方にしては混雑も少なく、
車は順調に家へと近づいているのだが。
帰宅してからのことを思うと、
裕樹は気が重かった。
相談室での、担任教諭との話し合いは、
あの後すぐに終わった。
結局、煙草は“たまたま拾ったもの”であり、
裕樹には何もお咎めはなし。
佐知子から追及されたイジメの件については、
そのような問題は起こっていないの一言で退けて、
担任教師は勝手に話を収拾してしまったのだ。
無論、佐知子にすれば、
まったく納得いかなかったが、
完全に逃げ腰になっている担任教師と、
押し黙り続ける息子の態度に、
矛先をおさめるしかなかったのだった。
住宅街の一隅、
ありふれた一戸建ての前に車は停まった。
先に降り立った裕樹は、その場で母を待つ。
支払いを済ませた佐知子が車を降りる時、
白衣の裾が乱れて、
ムッチリとした太腿が、
少しだけ覗いた。
佐知子は裕樹を無視するように、
低い門扉を開けて玄関へと向かっていく。
裕樹は、慌てて後を追いながら、
「運転手が、ママのこと、ジロジロ見てたね」
「…………」
「やっぱり、看護婦の格好って、
 外だと目立つんだね」
なんとか母から反応と言葉を引き出そうと、
裕樹なりに懸命だったのだが。
まあ、この場面には、
あまり良いフリとは言えなかった。
ガチャリと、差込んだ鍵を乱暴にまわして、
佐知子がふりむく。
「誰のせいだと思っているの!?」
「…っ!!」
滅多に聞かせぬ怒声に打たれて、
裕樹は息をのんで硬直し。
そして、泣きそうに顔を歪めて、うなだれた。
「………………」
しばし、佐知子はキツく睨みつけていたが。
やがて、フウと深く嘆息して。
「……いいから。入りなさい」
表情と声を和らげて、そう言った。
「…うん」
ホッと、安堵の色を見せる裕樹。
佐知子は、開けた扉を押さえて、
裕樹を中へと通しながら、
「……晩御飯の後で、ちゃんと話してもらうわよ。
 全部、隠さずにママに聞かせるのよ」
「うん」素直に、裕樹はうなずいた。
「急に、持ち物検査が始まってさ。
 押しつけられたんだ。預かっておけってさ」
夕食の後、デザートのアイスを食べながら、
裕樹はアッサリと事実を明かした。
「誰に?」
「高本ってヤツ」
名前を聞いても、
佐知子には顔も思い浮かばないが。
「どうして、断らなかったの?」
「……後が、怖いからね」
「その高本っていう子に、
 いつもイジメられているの?」
「…いつもって、わけじゃないよ。時々かな」
「どうして、それを言わなかったの? 
 さっきだって、先生に…」
「ムダだよ」
「どうして?」
「だって、宇崎の仲間なんだもん、高本って」
「ウザキ? 宇崎って…」
「宇崎達也。宇崎グループの跡取りだよ」
今度は、佐知子にもわかる名前だった。
というより、
このあたりで宇崎の名を知らないものは、
あまりいないだろう。
旧くは付近一帯の大地主であり現在は
いくつもの企業を営み、
厳然たる勢力を築いている。
現当主の弘蔵は県会議員でもあるという、
いわば“地元の名士”とかいうものの一典型なのだが、
宇崎達也は、その弘蔵のひとり息子だというのだ。
今まで、
息子のクラスにそんな生徒がいることを
知らなかった佐知子は、
急に大きくなった話に困惑した。
「…今日だって、
 もしボクが高本の名前を出してたら、
 先生困ったと思うよ」
宇崎達也と、その取り巻き連中は、
教師たちからもアンタッチャブルな
存在として扱われているのだという。
「だから、本当は煙草くらい隠す必要もないんだ。
 風紀委員だって高本の持ち物なんか
 調べようとしないんだから」
「じゃあ?」
「多分、
 ボクを困らせて笑いたかっただけじゃないかな。
 ちょっとしたキマグレでさ。
 風紀のヤツも、
 持ってたのがボクだったから取り上げたわけでさ。
 高本のモノだって知ってたら、
 見て見ぬフリをしたはずだよ」
「……………………」
やけに淡々と裕樹は語ったが。
聞く佐知子のほうは、半ば茫然とする思いだ。
「……それじゃあ、まるでギャングじゃない」
「違うよ。宇崎は王様なんだ。高本たちは家来」
「裕くん、その高本って子に、目をつけられているの?」
「特にってわけじゃないよ。時々からまれる程度。
 ボクだけでもないし。
 ……高本って、
 バカだけど体は学年一大きいんだもん」
逆にクラスでも二番目に小柄な裕樹は、悔しそうに、
「あーあ、ボクも早く背が伸びないかなあ」
「それで、
 そんな乱暴な子とやりあおうっていうの?
 ダメよ、そんなの」
「そうじゃないけどさ」
「これからは、
 なにかされたらすぐにママに教えるのよ?
 怪我をしたら、ちゃんと見せて」
「うーん……
 ママには心配かけたくなかったんだけどなあ」
「ダメよ、そんなの。
 また、裕樹が傷を作って帰ってきたら、
 今度は、ママも黙っちゃいないんだから」
「でも、高本は宇崎の…」
「相手が誰だろうと、関係ない」
決然と言い放つ佐知子の表情には、
最愛のひとり息子を守ろうとする
母親の気概と情愛が滲んで。
それを感じとった裕樹は、神妙な顔でうなずいて、
「……ありがとう。ママ」
「なに? あらたまって」
少し照れたように佐知子が笑い、
話し合いはひと段落という雰囲気になった。
「さ、お風呂入っちゃいなさい」
そう裕樹に言って、
自分は片づけのために食器を重ねて
立ち上がった佐知子は、
ふと思い出したように尋ねた。
「ねえ。その“宇崎達也”には、
 なにかされたことはないの?」
実物を知らないから、佐知子の中では、
いささか漫画的な悪役としてのイメージを結ぶ、
その名であった。
「宇崎はしないよ。
 あいつは……ボクらのことなんか、
 相手にしない」
「ふーん……」
やはり、いまひとつピンとこなかった。
……まあ、当然な反応といえた。
佐知子に未来を知る力はないわけだから。
……だが。その二時間ほど後。
自分も入浴を済ませて寝室に入った後。
鏡台に座って、
髪を梳かしていた時に響いたノックの音に対しては、
佐知子は予期するものがあったのだった。
「……ママ……いい?」
ドアを細く開けて、パジャマ姿の裕樹が訊いた。
「いいわよ」
鏡越しに許諾を与えて、佐知子はブラシを置いた。
今夜は……と、
佐知子が息子の訪れを予見していたのは、
前回からの日数と、
今日の裕樹の心理状態から推し量ったものだった。
拒むつもりもなかったから、
佐知子はローブ姿のまま、鏡に向かっていたのだ。
「……いらっしゃい」
薄明かりの中に立ち上がった佐知子は、
裕樹を手招きながら、ベッドへと向かった。
スルリと、バス・ローブが床にすべり落ちる。
白い豊満な裸身が現れ出る。
佐知子が身にまとうのは、
パール・ピンクのショーツだけだ。
タプタプと重そうにゆれる双乳に
眼を吸いつけられながら、
裕樹は手早くパジャマを脱ぎすてる。
ダブル・サイズのベッドの上に横臥して、
佐知子は息子を待つ。
ブリーフ一枚になった裕樹がベッドに上り、
母の隣に侍っていく。
佐知子は柔らかな腕をまわして、
息子の華奢な裸身を、そっと胸の中に抱き寄せる。
……そんな一連の動きに、
慣れたものを感じさせた。
この母子が禁断の関係を持つようになってから、
すでに半年が過ぎていた。
「……ママ…」
甘えた声で呼んで、裕樹が母の唇を求める。
「……ん……ふ…」
だが、口づけは軽く触れ合う程度で終わる。
舌をからませるような濃厚なキスは、
裕樹は苦手なのだった。
かわりに、
裕樹の口は、母の豊かな乳房へと移っていく。
手に余るような大きな肉果を両手で掴みしめて、
唇は真っ直ぐに頂きの尖りへと向かう。
頭をもたげたセピア色の乳首にしゃぶりついて、
チューチューと音をたてて吸う。
熟れきった柔肉をジックリ味わい
戯れる余裕もなければ、
含んだものを舌で転がすような技巧もない。
まさに乳飲み子のように無心に吸いたてる。
「……フフ…」
そんな愛撫ともいえぬ稚拙で
自儘な行為を佐知子は甘受して。
片手で優しく裕樹の髪を撫でながら、
細めた眼で見つめている。
赤ん坊に戻ったように甘えられるのは、
悪くなかった。
母親としての深い部分で
満たされるように感じるのだ。
それに、拙くても、
急所を攻められ続ければ、昂ぶりもする。
ジンワリと、身体が潤むのを感じた佐知子は、
手を伸ばして、裕樹の股間をまさぐった。
「……フフ…」
固く突っ張ったモノを、
布地越しに指先でくすぐる。
「……アッ、ア」
刺激にビクビクと背筋を震わせた裕樹が、
ようやくオッパイから口を離して
可愛らしい声をあげた。
佐知子の手が、ブリーフを引きおろす。
プルン、と。裕樹の未発達なペニスが、
それでも精一杯に自己主張して姿を現す。
そっと握りしめて。
佐知子は指で、
亀頭の半ばまで被った包皮を剥きおろす。
「ちゃんと、キレイに洗ってる?」
聞きながら、
指先でも恥垢の付着がないか確かめる。
「う、うん」
佐知子にしがみつくようにしながら、
何度も裕樹が頷いたとおり、
衛生保持の言いつけは守られているようだ。
「アッ、ア、ママッ」
だが、裕樹の幼いペニスは、
すぐに多量の先走りの汁を噴いて、
裕樹自身と佐知子の指をヌルヌルに汚していく。
手の動きを緩めた佐知子は、
頬を上気させ眼を閉じて快感に耐えている
裕樹の耳に口を寄せて囁く。
「…ママのも、脱がせて」
うなずいた裕樹の手が、
佐知子の張り出した腰へと滑る。
佐知子は、わずかに尻を浮かせて、
瀟洒な下着を引き下ろす裕樹の行為を助けた。
……今夜のように、
裕樹の訪れを予期している時でも。
いつも佐知子は、
ショーツだけは身につけるようにしている。
そして、必ず裕樹の手で脱がせる。
何故そんな手順を踏みたがるのかといえば…多分、
裕樹にも能動的であってほしいからだ。
ふたりの行為は、終始、
佐知子がリードするままに進んでいくから。
その中で、些細なことでも、
裕樹の側からの積極的な動きが欲しい。
そんな思いがあるから、
自分は下着を着けて裕樹を迎えるのだろう。
……と。
豊臀に貼りついた薄布がツルリと剥かれる瞬間に、
いつも決まって、そんな思考がよぎる。
つまり、佐知子は冷静さを残している。
醒めているわけではない。
身体は熱くなり、秘芯は潤んでいる。
だが、我を忘れる、というような昂ぶりはない。
佐知子はムッチリと官能的に肉づいた
太腿を交互にもたげて、
裕樹が引き下ろしたショーツから足を抜いた。
一糸まとわぬ姿となった爛熟の女体が、
間接照明の下に白く浮かび上がる。
まろやかな腹部に、かたちのよい臍穴と、
隆い丘の濃密な叢が艶かしい陰影を作っている。
微熱と湿り気を帯びた秘裂が晒されたのを感覚して、
佐知子は、
「……触って」 裕樹を抱き寄せながら、促す。
毎回、決まりきったパターンなのに、
いちいち求めるまで手を出そうとしない裕樹は、
従順で可愛いが、もどかしくも感じる。
「……ん…」
オズオズとした指が秘肉に触れると佐知子は
艶めいた声を洩らしてくびれ腰をしなわせた。
息子のペニスを握りしめた佐知子の手も
緩やかな動きを再開して相互愛撫のかたちとなる。
裕樹は、また母の乳房に吸いついていく。
女の部分を愛撫する手指の動きは、
いまだたどたどしくて、
佐知子の性感をくすぐるほどの効果しかない。
そして、逸る幼い欲望は、
それさえも長くは続けることが出来なかった。
「マ、ママッ、僕、もう……」
潤んだ眼で、切羽つまった声で裕樹が訴える。
佐知子はうなずいて、枕元の小物入れから、
コンドームを取り出すと、慎重な手つきで、
すぐにも爆ぜてしまいそうな裕樹のペニスに被せる。
裕樹が慌しく身を起こして、
佐知子の両肢の間に体を入れる。
「……来て、裕樹」
爛熟の肉体を開いて、美母が息子を誘う。
「ママッ」
裕樹が細い腰を進めて、
握りしめたものの先端を母の女へと押しつける。
ヌルリ、と。母と子の体がひとつになる。
「アアッ、ママ、ママッ」
「…ああ……裕樹…」
泣くように快美を告げて、
裕樹は柔らかな母の胸にしがみつく。
佐知子は、
さらに深く迎えいれようとするかのように、
ギュッと裕樹の体を抱きしめる。
佐知子の逞しいほどの太腿が、
裕樹の細腰を挟みこんで。
裕樹の青い牡の器官は、
完全に佐知子の体内に没している。
だが、肉体を繋げてしまえば、
もう母子の情事は終焉に近づいているのだった。
今夜もまた、裕樹はせわしなく腰を数回ふって、
「アッ、アアアッ」
か弱い悲鳴を上げて、
呆気なく欲望を遂げてしまう。
「……ン…」
佐知子は、目を閉じて、
その刹那の感覚を噛み締める。
そして、グッタリと脱力した裕樹を胸に抱きとめて、
荒い呼吸に波打つ背中を、なだめるように撫でた。
あまりに性急で、他愛ない行為。
しかし、佐知子に不満はない。
充分に満足を感じてもいる。
もともと、佐知子にとってはセックスとは、
そういうものだった。
裕樹の父親―死別した夫との営みも、
似たようなものであったから。
(さすがに、これよりは落ち着いたものだったが)。
元来、
自分は肉体的な欲求は薄いたちなのだろう、
と佐知子は思う。
性の営みにおいても、
求めるのは精神的な充足であるのだ。
そして、そんな自分だからこそ。
血を分けた我が子との相姦という行為にも、
さほどの抵抗もなく
入りこんでしまったのではないかと。
思い返しても、自分でも不思議なほどに、
禁忌を犯すことへの躊躇いがなかった。
きっかけは、
偶然に裕樹のオナニーの現場に
踏みこんでしまったことだった。
うろたえる息子を宥めすかして
“この子もそんな年になったのか”
という感慨を胸に沸かせた佐知子は、
ごく自然に幼いなりに欲望を
漲らせたペニスを手であやしていたのだった。
以来、そんな戯れが習慣となり、
手ではなく体で裕樹の
欲望を受け止めるようになるまで、
そう時間は要さなかった。
思春期の旺盛な欲求を抱えて
苦しむ息子を癒してやること。
それは母親としての務めであり、
代償に受け取る喜びも、
あくまでも母親としてのものだ。
だから、自分は平静なままに、
息子との秘密を持っていられるのだろうと思う。
もし、裕樹との交わりが、
肉体的な快楽をもたらすものであったら。
それを続けることに、
もっと背徳を感じてしまうのではないだろうか。
だから、これでいい。このままで、いい…。
……と、いささか迂遠な思考は、日頃、
佐知子の意識の底に沈殿しているもので。
いまは、
事後の余韻の中でボンヤリと
思い浮かべただけのこと。
しかし、このままトロトロと
夢にたゆたうわけにもいかないのだ。
佐知子は、
のしかかった裕樹の軽い体をそっと押しやって、
結合を解いた。
ニュルン、と抜け出た裕樹のペニスは、
すでに萎縮していて、
白い精を溜めたゴムが外れそうになっている。
これだから、いつまでも繋がってはいられないのだ。
起き上がった佐知子は、
枕元からティッシュを数枚とって、
裕樹の後始末をする。
仰向けに転がった裕樹は、まだ荒い息をつきながら、
母のするがままに任せていたが。
佐知子の作業が終わった頃には、
もう半ば眠りの中に沈みこんでいた。
「……もう」
呆れたように笑った佐知子だが、
今日は疲れたのだろうと理解する。
ただ、縮んでスッポリ皮を被った、
裕樹の“オチンチン”を、
チョイチョイと指先で突付いてみた。
「…うーん…」
「……フフ…」
ムズがるような声を洩らして、
モジモジと腰をよじる裕樹に、もう一度笑って。
上掛けを引き寄せて、身を横たえる。
「……ママ…?」
一瞬、眠りの中から戻った裕樹が、薄目を開く。
「いいのよ。眠りなさい」
「…うん…おやすみ…」
体をすりよせて、母の温もりに安堵した裕樹が、
本当に眠りに落ちるのを見守ってから、
佐知子も目を閉じた。
……だが、すぐには眠りはやってこなかった。
なにか……息苦しさを感じて。
佐知子は、何度か深く大きな呼吸を試みる。
最近、裕樹との行為のあとは、いつもこうだった。
その原因について、佐知子は深く考えない。
これも情事の余韻だろうと、簡単に受け止めている。
そうとしか、佐知子には考えようもない。
そして、
しばしの煩悶の末、日中の勤務の疲れによって、
佐知子はようやく眠りにつくのだった。

中学生に寝取られた

中学生に寝取られた 完

ベッドを見やった朱美は小さく叫んで、
肩をすくませた。
雄太たちがベッドに座り、
にやにや笑ってこちらを見ていたのだ。
遅れて振り向いた邦夫もぎくりとする。
「い、いつから見てたんだよ!」
「舌を入れるぞってところから、えへへ」
「あ、この、笑ったな!」
邦夫は弾かれたように朱美から離れ、
動揺を鎮めるためか、
部屋中を歩き回り始めた。
五周目でやっと立ち止まり、
照明を元の明るさに戻す。
「よ、よし。なら話ははやいな。
 さっそく始めるぞ」
「え? なにを?」
朱美の白い裸体に見とれていた雄太たちが、
すがめた目を邦夫に向けた。
あの3Pが4Pに向けた練習だったことを、
すっかり忘れているようだ。
「よ、4Pに決まってんだろ!」
「あ、そ、そうだよね」
慌てて相槌を打ったものの、その表情はさえない。
結局のところ、
三人同時の絶頂すら成功していなかったのだ。
「で、でも、難しいよね……
「わかってるよ。
 だから、朱美が知恵を貸してくれたんじゃないか」
「あっ! そういうことか!」
察しのいい雄太は気づいたようだ。
「え、なに? なんのこと?」
「あのね、朱美さんはね──」
耳打ちしてもらっても、
康二は半分も理解できなかったようだが、
連続アクメと聞いて目を輝かせている。
「へへっ、連続アクメかあ……」
「まあ、そういうことだ。
 とりあえず、シーツを替えようぜ」
夜明けが迫っている。
中学最後の夏休みは残すところ数時間──。
クローゼットにシーツの替えがなかったため、
少年たちは新しいタオルケットを代用にして、
神聖なるベッドを整えた。
雄太は自分が4Pの要とばかりに、
さっそく大の字になった。と、
朱美が済まなさそうに声をかける。
「あ、ごめんね。
 体位を変えた方がいいと思うの。
 後背位じゃなく、正常位に……」
「あ、そうか。
 いつも旦那さんとやってる体位だね?」
「ええ、正常位だと、あの、ちょうどよく当たるの。
 だから、雄太くんは、その、お口で……」
新しく膣担当になった邦夫も、
心底申し訳なさそうだ。
「わ、悪いな、雄太」
「いいよ。ぼく、たくさんしたから」
「ま、そりゃそうだ」
「ふふ、じゃあ、みんないい? 
 おばさんがこつを教えるわ」
まるで降臨した性の女神のように、
朱美はその一言一言で少年たちを驚かす。
本人もその辺りを自覚しているらしく、
真剣な物言いながら目が笑っていた。
「大事なのは最初のアクメなの。
 だから邦夫くんの責任は重大よ」
「お、脅かすなよ……」
「ふふ、ぶっつけ本番ね」
二人は手を取り合ってベッドに上がった。
朱美の体を横たえて、邦夫が寄り添う。
雄太たちは正座といかないまでも、
床の上にあぐらをかき、
「儀式」の成り行きを見守っている。
「ちょっと照れるわね」
「ま、まあな」
見詰め合った後、邦夫は朱美の肩に手を回して、
包むように抱き締めた。
首筋に唇を這わせつつ、内腿を撫でる。
中断があったにも関らず、
朱美の体はほとんど冷えていなかった。
汗ばんだ肌に触れるだけで、
体奥の熱が感じられるほどだ。
もしやと思い、邦夫は乳首に触れてみた。
「あっ……」
「こりこりだな……」
「そう、ずっと疼きっぱなし……」
潤んだ瞳に急かされて、
邦夫は恥裂に指を滑らせた。
じらしのテクニックなどくそ食らえだった。
そもそも、
その必要がないほどに朱美の溝は蜜で溢れていた。
肉びらを開くだけで、
くちゅくちゅと音が漏れる……。
「とろとろだな……」
「ええ、自分でもびっくりするくらい……」
おでこを寄せた朱美はそう囁き、
邦夫の太腿をなでさすった。
「……もうじらさなくてもいいのよ」
「あ、ああ……」
邦夫は唾を飲み込んだ。
4P達成の鍵を握っているだけに
緊張もひとしおなのだ。
それを察した朱美が自ら進んで両脚を開く。
さらに邦夫の肩に預けんばかりに下肢を持ち上げた。
「ふふ、いつもこうしてるのよ。ね、手で持って」
「よ、よし」
朱美の両足首を掴むことで、
互いの性器が上を向いた。
濡れ光る朱美の肉溝はふっくらとほつれ、
ごくわずかな収縮を繰り返している。
誘っているのだ。
邦夫は意を決し、
朱美の両脚を肩に担いだ。
女性器はさらに起き上がり、
薄紅色の膣口が真上を向く。
「い、いいか?」
「ええ、きて……」
荒淫で芯までとろけた女性器に、
瑞々しい男根が押し当てられた。
「あ、あん……」
灼熱の亀頭が膣口を押し広げ、
肉襞をなめすように埋没してゆく。
邦夫の背に回った朱美の手に力がこもり、
爪が食い込んだ。
担がれた下肢は引きつり、
つま先が宙を掻く。
「は……あん」
夫と寸分違わぬ形状の男根で膣が満たされた。
肉襞の一枚一枚がぴたりと吸いつき、
少し動いただけでも膣鳴りがするほど密着している。
「ああ、そう……。そこがいいの……」
「よ、よし……」
歯を食いしばり、
邦夫が動き出した。
担いだ下肢をばね代わりに、
ゆっくり、深く、緩慢な抜き差しを繰り返す。
互いの性器は夫婦のように馴染んでいるが、
唯一の違いは邦夫の若さだ。
「くっ! で、出るぞ!」
「あ、あんっ!」
「うー、まだまだ……」
勢いあまって一分も持続しない。
だが、終わりは始まりなのだ。
朱美の中で男根は見る間に復活し、
さらに持続力を増強させて挑んでゆく。
それが二度三度と繰り返され、
朱美の体内に精液の海が生まれた。
「あん……ああっ、いいっ、いいわ……あっ」
たまった精液は抜き差しの度に掻き出され、
その一部は子宮の中に押し込まれた。
発情した子宮が下りてきて、
亀頭の突き上げに当たりやすくなっている。
朱美の体は連続アクメの準備をすでに終えていた。
邦夫が四度目の射精を迎えたのを機に、
朱美は担がれていた下肢を自分で外した。
「ねえ、康二くんに入ってもらって……」
「い、いけそうなのか?」
「ええ、いけるところまでいってみるわ……」
邦夫はしがみついてくる朱美を抱き寄せ、
一時的に対面座位の形をとった。
「康二。いいぞ、入ってくれ」
「お、おう」
長躯の邦夫がのそりと立ち上がり、
ベッドに這い上った。
男根をくわえ込んだ朱美の巨尻は圧倒的な量感だった。
結合部からあふれた大量の精液と愛液が、
タオルケットに大きな染みを作っている。
結合部分のすぐ上ではすみれ色の肛門がひくひく蠢き、
康二を誘っている。
散々繋がった肛門だ。
何度も精を注ぎ込んだ直腸だ。
康二は自分の所有物であることを確かめるように、
朱美の排泄器官を覗き込んで唾をなすりつけた。
「あん!」
指で探るまでもなく、
そこは男根を待ち望んでいた。
「へへっ、まずは3Pだな」
「きて……康二くん」
康二は腰のくびれを鷲掴みにした。
男根に付着したままの蜜が乾いてごわごわしていたが、
どうせすぐとろけるのだ。
一気に突き入れる。
「あふっ!」
のけ反った朱美のあごから汗が落ちて、
邦夫の頬を濡らした。
「あっ! あっ! あっ!」
康二の本格的に抜き差しが始まった。
雄太と組んで十一回もアナルで達した康二だ。
その腰使いは堂に入っている。
「あん! あん! あん!」
朱美はのけ反り続けている。
「こ、康二、とりあえず下になってくれ」
「わ、悪い。一発抜いときたいんだ。
 このけつを見ると、どうにも我慢できねえよ」
「わ、わかった。続けてくれ」
直腸担当の康二は下になれば思う存分動けなくなる。
だからこそ、邦夫は好きにさせた。
もっとも、
よがる朱美を見上げているだけでも楽しいし、
一体化した三人の腰は快感を共有している。
邦夫にとってもありがたい休憩だった。
「康二くん、どう? 気持ちいい?」
「ああ、最高だ……
 やっぱいいわ……あんたのけつは……」
「ほんと? うれしい……
 もっと動いていいのよ……」
「お、おう! こ、これでどうだ?」
「そう、そうよ……はやく……ふかく……」
「おっ! うっ! はっ!」
三十秒と保たず康二が精を放った。
同時に朱美も叫ぶ。
「く、邦夫くん、始めて! 
 い、いまならいけそうな気がするの!」
「よ、よし! 康二、そのまま横になれ!」
「お、おう!」
邦夫は朱美を抱えて起き上がった。
康二を敷き布団に見立てて、
その上に朱美を押し倒す。
もちろん、三人はひとつに繋がったままだ。
邦夫は朱美の両足首を支え持つことでバランスを保ち、
康二に負けじと膣への抜き差しを始めた。
「あんっ! いいわ……そこ……そうよ! 
 手前を擦るように! そう……もっと深く!」
「こ、こうか? ここか?」
「そう、そうよ! そのまま突いて! 
 どんどん突いて! ああっ、
 子宮に当たってる! そこがいいの!」
「よ、よし! わかった!」
朱美の腰が小刻みに動き出した。
膣はぐちゅぐちゅ鳴っている。
邦夫はV字に開いた下肢を縦横に操り、
最適な角度で渾身の一撃を加えていった。
朱美の尻に敷かれた康二も役割を心得ていた。
朱美の上体を支えながら乳房を揉み立てて、
ときおり乳首をきゅーっと引っ張っている。
腰を思い通りに動かせない分、
指先で乳房の堪能し、
うなじを舌で味わい、
赤い輪ゴムをくわえてはぱちんと弾いている。
朱美は顔を真っ赤にして雄太を呼んだ。
「ゆ、雄太くんもきて! 
 お、お口で! お口でしてあげる!」
「う、うん!」
喜び勇んでベッドに飛び乗ったものの場所がない。
すると、朱美は片手で上体を支えながら、
雄太の股間に手を伸ばしてきた。
陰嚢をそろりと撫で上げて、呼び寄せる。
「ゆ、雄太くんは、よ、横からきて!」
「う、うん!」
朱美は突き出された男根を握り締めた。
いよいよ視界に桃色の膜がかかり、
なにかにつかまっていないとどこかに落ちてしまいそうだ。
薄れつつある理性の中、
少年たちにはっぱをかける。
「み、みんな! 
 わ、わたしがおかしくなっても、
 び、びっくりしないでね!」
「お、おう!」
「あ、あなたたちが満足するまで、
 や、やめないでね!」
「わ、わかった! まかせとけ!」
「あ、朱美さん! 痛いよ!」
「ご、ごめん! は、始まったの! 
 お、大きいの! す、すごく……大きいの!」
そう叫ぶや、朱美は雄太の男根にむしゃぶりついた。
「うむぐくくっ!」
朱美のくぐもった喘ぎとともに、
ついに4Pが始まった。
数時間前に処女を失ったばかりの
アナルには康二が入ってる。
膣には夫の分身ともいえる邦夫が収まっている。
そして、
中学生ながら夫をしのぐ
巨根の雄太に口を塞がれている。
(ああっ! ぜ、全部なのね! 
 全部塞がれたのね! 
 すごいわ! これって、すごいわ!)
口を塞ぐ雄太、
アナルに入っている康二に動きはない。
無理に動けば男根が外れてしまうからだ。
その分、
邦夫が奮闘しなければならなかった。
正常位で横たわる朱美の膣の奥深く、
降りてきた子宮口を
狙って三人分の打ち込みを続ける。
(ああっ! あ、当たってるわ! 
 ちゃんと当たってる! すごい! 
 邦夫くん、すごい!)
桃色の膜がすべてを覆い尽くした。
もう朱美に理性はない。
快楽しかない。
「むふっ! むごっ! むぐううううっ!」
桜色の女体の至る所から粘っこい汗が噴き出した。
それが朱美のアクメだった。
連続アクメが始まったのだ。
膣の収縮が暴走した。
肛門括約筋にも連動し、
朱美の下半身が制御不能になる。
「あぐうっ! あぐぐぐぐっ!」
「は、始まったぞ! 康二! 雄太! 
 お、おまえらはどうだ! 
 いけそうか! 合わせられるか!」
そう尋ねた矢先、
邦夫は達してしまった。
大声を出して持ちこたえようとしたが、
うねる膣にまるで歯が立たなかったのだ。
射精の痙攣をやり過ごしてから戦列に戻ると、
今度は康二が果てていた。
「わ、悪い! おれ! 出しちまった!」
残るは雄太一人。
仲間の視線が集まる。
「ごめん、ぼく、まだ……」
そのときだった。
朱美が掴まれていた下肢を振りほどき、
邦夫の腰に絡めてきた。
白目を剥いたまま、
狂ったようにぐいぐい引き寄せてくる。
アクメの深淵に落ちながらもなお、
少年たちを導こうとしている。
「よ、よし! 続けるぞ!」
「お、おう!」
「うん!」
雄太は朱美の頭をがっしり抱えて
、猛烈なイマラチオを開始した。
「ふごっ! ふぐっ! むごごっ!」
朱美の喘ぎが高まった。
フェラチオに手が回らないおわびにと、
吸引を極限まで強めている。
ずぽっ! ずちゅる! 
その音はまるで肉の管楽器だ。
「こ、康二! おれが引いたら、
 おまえが突け! 逆に出し入れするんだ! 
 抜けないように注意しろよ!」
「お、おう!」
朱美の下半身を満たす二人の肉棒も動きを再開した。
邦夫が大きなストロークで打ち込めば、
康二が小さなストロークで引く。
それを毎秒一往復繰り返す。
「おごっ! むぐぐぐっ! あがががっ!」
朱美は泡を噴かんばかりのよがりようだ。
邦夫の腰に巻きついていた下肢もすでに外れ、
宙に向かって一直線に伸びている。
邦夫は再び足首を掴むと、
4P同時アクメを叶えるため、
決死の抜き差しを繰り返した。
少年たちに声はない。
とにかく限界まで持ちこたえようとの一心で、
互いの昂ぶり具合を確かめ合う余裕すらない。
そんな最中、
朱美ただ一人だけが奇跡の予兆を感じ取っていた。
朱美だけが三本の男根と一体化しているのだ。
連続アクメで理性が消し飛んでいても、
それぞれの男根が
時同じくして射精の準備に入ったことがわかる。
朱美の生殖器がそう告げている。
(く、くる! くるわ! 
 ひとつ! ふたつ! みっつ! みっつも!)
こんなことは初めてだった。
アクメの深淵でのたうっていたのはわずか一秒前。
気がつけば空高く舞い上がっていた。
光に包まれて、光に満たされる。
(一緒に! わたしも! 
 わたしも連れてって! 
 ああっ! あああっ! ああああっ!)
アクメがアクメを迎えた瞬間だった──。
(あら、いやだわ……)
赤い輪ゴムに気づいたのは、
駅のトイレでルージュを引いているときだった。
慌てて外したが、
捨てる理由もなく、
ポケットに落とした。
(ふふ、三キロは痩せたかしら……)
鏡の中の自分にウィンクをして、
朱美はトイレを後にした。
綿のように疲れた尻をくっと持ち上げ、
コンコースを闊歩する。
背筋を伸ばし、
柔らかく微笑んで、
夫と娘の待つわが家に帰るのだ。

中学生に寝取られた

中学生に寝取られた 10

ドアの開閉する音に、
朱美は浅い眠りを覚まされた。
邦夫が洗面器とタオル、
ミネラルウォーターを手に立っている。
「……あ、ごめんなさい。
 いつの間にか寝ちゃったわ」
朱美たちは睦み合ったまま寝てしまったのだ。
すでに日付は変わり、
カーテン越しにも日の出が近いことがわかる。
洗面器を置いた邦夫は、
Tシャツとトランクスを脱ぎながらぼそりと言った。
「雄太が九回で、康二が十一回だ」
「え?」
「あいつらがいった回数だよ。で、
 あんたは七、八回ってとこか? 演技でなきゃな」
「か、数えてたの?」
「ああ、ずっと見てた。結局、成功しなかったな」
「ええ、三人同時は難しいわ……」
「それとそうと、ザーメン臭いぞ。
 さっさと洗えよ」
邦夫は面倒臭そうに言って、いすに腰かけた。
「え? あ、ありがとう……」
朱美はベッドから降りて、
荒淫の跡も生々しい体を拭き清め始めた。
濡れタオルで腕や脚を拭うふりをしながら、
こっそり膣や直腸に指を入れて、
中にこびりついた精液を掻き出す。
「く、邦夫くん。どうして四人一緒にこだわるの?」
「別にこだわってるわけじゃないさ。
 ただ面白そうだし、想い出にもなるし……」
「想い出? 夏休みの? それとも中学時代の?」
「うーん、ちょっと違うな。
 まあ、 
 あいつらと一緒に遊んだっていう想い出かな、
 たぶん」
「そう、わかるような気がするわ。
 友達って大事だものね」
相槌を打たれたことが気恥ずかしいのか、
邦夫はぶっきらぼうに立ち上がった。
「それ、捨ててくるから、うがいもしとけ」
「あ、はい」
そのためのミネラルウォーターだったのだ。
朱美は口をすすぎながら、
淫鬼の意外な一面に感心していた。
忍び足で出て行った邦夫が忍び足で戻ってきた。
「あんた、疲れてるだろ?」
「さすがに……ちょっとね」
熟睡している雄太たちに
タオルケットをかけていた朱美がはにかむ。
「4Pは明け方にするから、
 それまで寝てていいぞ」
「この時間なら起きていた方がいいわ。
 それに邦夫くんの練習がまだだし……」
「お、おれはいいよ。
 雄太たちと違って、ただのフェラチオだし……」
「じゃあ、練習抜きってことでどう? 
 いまなら二人きりよ。こっそりやりましょうか?」
「な、なんだよ、やけに絡むな……。
 おだててもなにも出ねえぞ」
「だって邦夫くん、
 お風呂を出てからら全然じゃない。
 もう、おばさんとやるのは飽きちゃった?」
朱美が嫣然と笑う。
画策など微塵もない、心からの笑顔だった。
「そ、そんなことないけど……。
 あ、でも、本当はやり過ぎで痛いんだろ? 
 やっぱり、明け方まで休んでろよ」
「えーっとね、前の方は平気なの。
 伊達に人妻を十年もやってないわよ。
 ね、だから……」
脚をやや開き気味にして立つ
朱美は生々しい肉の塑像だった。
仄白い肌の下では荒淫の気だるさと
情欲の火照りが拮抗しているのだろう。
そんな柔肉の危うさを見ていると、
無性にしがみつきたくなる。
「しょうがねえなあ……」
そう言いつつ邦夫は立ち上がったが、
本当は二人きりになる機会を窺っていたのだ。
あえて3Pに混ざらなかったのも、
わざと物音を立てて朱美を起こしたのも、
差しでじっくり抱き合いたかったからに他ならない。
二人は毛布を床に敷いてベッドの代りにした。
雄太たちに対する気後れから、
照明を補助灯に落とす。
途端に密会じみた雰囲気になり、
どちらともなく笑いがこぼれた。
二人は立ったまま抱き合った。
「なあ、ちゃんと教えてくれないか、セックス……」
「もう教えることなんてないわ」
「お、女が喜ぶセックスだよ」
「あら、わたしは彼女の実験台?」
「そ、そんなんじゃないよ。
 あんたが気持ちいいと、多分、
 おれも気持ちいいと思うから……」
「ふふ、それがわかっていれば十分よ」
二人は再び抱き締め合い、
朱美のリードで毛布の上に横たわった。
朱美が下になり、邦夫の首に腕を絡ませる。
「……あのね、
 激しいセックスもいいけど、
 その前に必ずムードを盛り上げなければならないの。
 前戯をきちんとして、
 言葉も交わして……。
 後はそうね、例えばじらしたりとか」
「あー、なかなか入れなかったりする、あれか?」
「それもあるけど、例えばおっぱいを触るにしても、
 いきなり揉んだりしないで、
 周りを指でなぞったり、そっと押したり、
 さすったりとか……。
 そきときは小さな刺激から始めるの。ね、
 ちょっとやってみて」
朱美は邦夫の手を取り、
薄い歯形や淡いキスマークの残る乳房に導いた。
邦夫はこのときばかりは神妙な顔になり、
乳房の裾野をそっとなぞってみた。
「こ、こんな感じか?」
「そう、いいわよ。これはね、
 いろいろ応用が効くからよく覚えててね。
 女はね、なにもあそこだけが性感帯じゃないのよ」
「ふーん。で、順番はあるのか?」
「特にないわ。
 でも、あそこから遠いところから始めて、
 徐々に近づくようにするといいかも……。
 ま、これはわたしの好みだけどね」
「じゃあ、ちょっとやってみるけど……笑うなよ」
「笑わないわよ。真剣な人、わたしは好きよ」
邦夫の鼻息が荒くなった。
「こ、子供扱いするな。
 いいか、
 あんたはおれ専用のセックス奴隷なんだぜ」
朱美は首をすくめて見せる。
「そうね、ごめんなさい。
 じゃあ、
 あなた専用のセックス奴隷をちゃんと歓ばせてね。
 言っとくけど、演技はしないわよ」
「わ、わかってるって。
 見てろ、ひいひい言わせてやる」
そう笑ったのも束の間、
邦夫は引き締まった表情になった。
まずは左の乳房を基点に、
利き腕の五指だけで刺激を与えてみる。
するとどうだろう。
レイプまがいのセックスでは
見落としていた朱美の呼気の変化、
微妙な発汗、筋肉の動きが感じ取れたのだ。
(へえ、おもしろいけど、なかなか難しいな……)
右の乳房に移った。
同じ刺激にならないように注意しつつ、
指先の運びを工夫する。と、
邦夫の腕を握る朱美の手に時折力が入った。
これはなんのサインかと考えながら、
さらに愛撫を続けてゆく。
(よ、よし。これならどうだ?)
満を持して左の乳房に戻った。
乳首には触れず、乳輪にも触れず、
その周囲に指先で円を描く。
途端に朱美の体がよじれた。
縋る手は汗ばみ、汗ばんだ太腿を擦りつけてくる。
「か、感じてきたのか?」
「ええ、いい調子よ。続けて……」
邦夫の指が乳輪の縁を回り出した。
二度三度と回るうちに、
乳首がぴくぴくしこってくるのがわかる。
(ああ、そろそろ乳首にタッチして……。
 摘まんでもいいのよ。引っ張っても……)
朱美の肉の声が届いたのか、
邦夫が乳首に触れてきた。
乳房全体をてのひらで覆い、
乳首を乳輪の中に押し込む。
そうやって左の乳房をじらしつつ、
右の乳房へ唇をつけた。
邦夫の下唇が乳輪の周りをくるくる回る。
何度も執拗に回り、
時折舌先を伸ばしては白肌と
乳輪の境界に唾を塗り込めた。
(あっ……。これ、いい……)
唇の回転の輪は徐々に狭まり、
乳首を擦るようになった。
散々じらされた乳首は痛いほどに勃起し、
舐め続けられた乳輪は乳房全体を
引っ張るように膨張している。
「はむっ……」
「あっ!」
邦夫が乳首に吸いついた。
吸い出しては唇で挟み、
舌先でちろちろと舐めて転がす。
「あ、ひっ……」
朱美が初めて喘ぎを漏らした。
それでも邦夫は気を抜かない。
朱美の表情を上目遣いで確かめながら、
左の乳房に置いていたてのひらをゆっくり回しす。
押し込まれている乳首が、
臼に放り込まれた木の実のように転がった。
「はあ……。
 いいわ……わかるでしょ、乳首立ってるの?」
「ああ、こりこりだ」
「ねえ、吸って、こっちも……」
声の半分は甘い吐息だ。
「それ、演技か?」
「演技はしないって言ったでしょう……。
 本当に吸ってもらいたいのよ……。
 ね、はやく……」
「やだって言ったら?」
「お願いよ。それ、とってもいいの……」
「舐めた後、キスするぞ?」
「いいわ、キスしましょ……」
「舌を入れるぞ?」
「入れて、なんでも入れて……」
「よ、よし。そこまで言うなら、舐めてやる」
乳首の感触の残るてのひらをどけて、
左の乳首を吸い、挟み、たっぷり唾をまぶした。
「はあ……ん。いい、いいわよ……」
身悶える朱美の乳房がふるふる震える。
邦夫は左右の乳首をそれぞれ親指で封をしてから、
首筋、喉元へ唇を這わせていった。
舐める場所を変える度に、
親指の下の乳首は転がされて、
ずきずきするほどの快感を与え続けた。
「く、邦夫くん。
 さっきのあれ、じらしたつもり?」
「あ、みえみえだったか?」
「いいえ、合格よ……。
 わたし、我慢できずにおねだりしちゃった」
微笑む唇同士が重なった。
邦夫にとっては記念すべきファーストキスだ。
舌を絡ませ、唾液を交換し、一度離れてまた重なる。
何度かそれを繰り返しているうちに、
朱美が耳元で囁いた。
「下も……ね」
「あ、ああ……」
邦夫は左腕で朱美の肩を抱き、
右手を下半身へ滑らせた。
たったそれだけの愛撫で、
腕の中の朱美はひくひく震えている。
じらす側も自制が求められた。
邦夫は焦る手を止め、まずは陰毛を撫でさすった。
「はあ……」
次に尻をまさぐった。
「あふ……」
臀裂の始まり──渓谷の入り口──に指を置き、
沢を登るように指を進めてゆく。
肛門のふくらみをわざと迂回して、
泉が湧いている膣口も避けて、
陰毛がまばらに生えているのり面を進む。
(い、言わせたいのね……。
 でも、まだ言ってあげない……)
邦夫の指はそこから谷底を覗き込むように身を乗り出し、
あわや落ちそうというところで向かい側に跳び移った。
たまらないのか、朱美がひしと身を寄せてくる。
邦夫は軽く口づけを交わしてから、
いよいよ谷底を目指した。
(ああ、まだよ……。まだ言ってあげない……)
谷底に降りるには幾重にも連なった肉襞を
掻き分けなければならない。
濡れて滑りやすい足場を確かめながら、
進んだり、戻ったり、尿道口をつついたり……。
だが、肝心の場所には近づこうとしなかった。
「あふうっ……」
朱美が喘いだ。我慢も限界だ。
「な、中も確かめて……。そっとよ……優しく」
だが、邦夫の指先はそこから立ち去ってしまった。
尿道口を飛び越え、陰核包皮のつけ根に着地する。
アクメの手前までじらしてやろうとの魂胆だ。
「あ、待って……」
「え?」
「そこは……いいわ。それより中を、ね」
「ああ、一番のお楽しみは最後ってわけだな」
「ち、違うの……」
朱美の声は打って変わって神妙だ。
邦夫はどこで手順を間違えたのか、
頭をフルに回転させて考えた。
「あ、やっぱり、痛いのか?」
「違うの。そうじゃないの」
朱美は左手で邦夫を押し止め、
右手をそっと男根に寄せた。
「クリトリスはね、男の子のこれと同じなの……」
「あ、ああ。だから、すごく感じるんだろ?」
「そう、すごく感じるの……。
 でもね、感じ過ぎてだめなこともあるのよ」
突如として始まった禅問答に、
邦夫は苛立ちを隠せない。
だが、朱美が大切なことを伝えようとしているのは、
真剣な眼差しを見ればわかる。
「女はね、クリトリス以外でもいけるのよ」
「ああ、それは知ってる。Gスポットだろ?」
「うーん、Gスポットももちろんそうだけど、
 それだけじゃないのよ。
 どう言ったらいいのかな……。
 お腹全体と言うか、体全体と言うか……。
 うーん、子供を産むための器官、
 それ全体が震えるって言うか……」
「お、おいおい。
 それをいまやれっての?  
 おれに? そんなのできるかよ」
朱美は男根をきゅっと握って、
むきになる邦夫を黙らせた。
「できるわ、邦夫くんなら。
 邦夫くんのこれなら」
「よ、よせよ。こっちが恥ずかしくなる」
「邦夫くんのこれね、夫のとそっくりなの。
 大きさと形が……。
 だから当たる場所も同じなのよ……」
「な、なんだよ。
 いまそんなこと言うなよ。白けるだろ」
朱美はあくまで真剣だ。
男根を握る手にも決意がこもっている。
「最後まで聞きなさい! 
 いい、クリトリスのアクメに訓練は必要ないの。
 でも、中は違う。開発と言ったら大げさだけど、
 根気強く訓練を続けることで、
 中でもいけるようになるのよ。
 クリトリスでは味わえない、連続するアクメに」
「れ、連続?」
「そう。
 クリトリスのアクメは男の人の射精と同じで、
 回復するまで時間がかかるけど、
 中のアクメは連続していけるのよ」
「な、何回くらい?」
「普通は二、三回かな……。調子がいいと四、五回」
「そ、そんなに? じゃあ、いきっぱなしてやつ?」
「そう。数分間はいきっぱなしよ。
 でも、きみたち三人が相手なら、
 もしかするとその倍はいけるかも……」
邦夫は押し黙った。
朱美の真意がわからない。
裏があるのかないのか、
しばらく考えてから恐るおそる尋ねた。
「そ、そんな秘密を教えていいのかよ。
 も、もしもだぞ。もし、
 おれたちがあんたを手放さなかったらどうなる? 
 しょっちゅう呼び出して、
 セックスを迫ったらどうするつもりだ?」
朱美は動じるどころか、柔らかな笑みを浮かべた。
「信じてるもの、きみたちを」
「ど、どうして?」
「あなたたちに抱かれたから」
「そ、それでなにがわかるんだよ」
「優しくしてくれたじゃない」
さもそれが当たり前のように、
朱美は言い切った。
その瞳は中学生の邦夫が心配になるほどに、
透明で真っ直ぐだ。
「お、おれは別に優しくなんか……。
 でも恩に着るよ。これでいい想い出が作れそうだ」
「あ、いま恩に着るって言ったわね?」
「え? あ、言ったけど……」
「じゃあ、女の子には優しくするって約束してくれる? 
 これからもずっと……」
際どい話題だった。
だが、朱美は邦夫の弱点を突いているのではない。
ただ、切にそう願っているだけなのだ。
邦夫はそう理解して、頷いた。
「ああ、約束する」
礼には礼で返す。中学生なりの矜持だった。
「じゃあ、始めましょうか。みんなを起こさないと……」


中学生に寝取られた

中学生に寝取られた 9

白い靄の切れ目から、
少年たちが立ち働いている姿が見えた。
朱美がまき散らした大量の糞尿を、
シャワーや手桶で洗い流していたのだ。
(あっ、わたし……)
我に返って首を探ると、
赤い輪ゴムは辛うじて残っていた。
ほっと胸をなで下ろしたのも束の間、
自分がまきちらした臭気のひどさに気づき、
再び放心状態になる。
と、邦夫に肩を叩かれた。
「けつ、洗ってやるよ」
「え、あ……」
「ほら、けつ出せよ」
邦夫がにやにや笑いながら、シャワーを振って急かす。
朱美は横座りになって、恥知らずな尻を差し出した。
「だーめ、四つん這いだ」
「あ、はい……」
四つん這いになった朱美の尻に、
雄太たちの視線も群がってきた。
打ちのめされるような恥ずかしさで双臀が小刻みに震える。
肛門に強く湯を当てられると、
下肢がぴくんと反応してしまった。
まるでアクメの後のように……。
「さて、続けるか」
「え?」
朱美の臀裂を、邦夫がシャワーヘッドで叩いた。
「浣腸に決まってんだろ。
 ちんぽを入れるにはまだ汚いからな。
 おまえだって、
 うんこついたちんぽをしゃぶりたくないだろ?」
邦夫の巧みな言葉嬲りに、
哀れな朱美は奥歯を鳴らしてしまう。
「も、もう、許して……」
「朱美さん、心配しなくていいよ。
 洗浄はお湯しか使わないからね。
 お腹も痛くならないし」
雄太が悪魔の笑みを浮かべて、
お湯を汲んだ手桶を置いた。
注射器を手にした康二は、
にたにた笑いながらお湯を吸い上げる。
「へへっ、あんたのアナルはおれ専用なんだ。
 責任を持ってきれいにしてやるぜ」
朱美の美顔が歪む。
浣腸責めが繰り返される。
屈辱の姿勢で内臓をいいように弄ばれる。
浣腸責めはまだ始まったばかりだったのだ。
(ああ、わたし、耐えられるかしら……)
だが、耐えるしかないのだ。
朱美は首の輪ゴムに手を置き、
ふんぎりをつけるように尻を差し出した。
「なあ、雄太。とりあえず一人三本ずつでいいか?」
「うん、それでいいと思うよ」
「へへっ、じゃあ、まずはおれから……」
いまだ決壊から立ち直っていない肉のすぼまりに、
注射器が容赦なく突き刺さった。
「うっ……」
「へへっ、腹一杯飲めよ……」
入れ代わり立ち代わりで九回、
朱美の尻に注射器が立てられた。
注入されたお湯は総量は九〇シーシー。
便意をくすぐるには十分な量だ。
朱美は尻を叩かれて、その場にしゃがまされた。
今度は排水溝の上ではない。
直腸の汚れ具合を確かめるため、
あえてタイル地の上にたれ流すのだ。
「ほら、さっさと出せよ」
「ああ、見ないで……。お願い……」
丸まるとした尻の狭間から、しゃーっと、
小便のような水便がほとばしった。
「うーん、まだ濁ってるかな?」
「あはは、チョコチップ発見!」
「よし、次から一人五本に増やそうぜ」
「ああ、もう、勘弁して……」
「うるせえ! さっさとけつ上げろ!」
少年たちの目が血走っている。
どうやら、浣腸責めの魔力に魅了されたようだ。
直腸の洗浄という目的を離れて淫らな水遊びは加速し、
朱美の美尻に競って注射器を突き立ててゆく。
朱美は排泄の度、Y字バランスで立たされたり、
でんぐり返しをさせられたりと、
少年たちが飽きるまで肛門を弄ばれ続けた。
排泄の回数は優に十回を超し、
見るも無残に朱美の体力をこそげ落としている。
いま、放心状態の朱美は上体を床につけ、
気力だけで膝を立てていた。
(まだやるの……もうだめよ……)
「アナル担当官殿、検査願います」
邦夫がおどけて言うと、
康二は弛緩した肛門に人差し指を入れてきた。
おもちゃの注射器とはいえ、
延々嬲られた直腸は
桃色の壁面が覗けるほど広がっている。
(あ、なに? アナル……セックス?)
つるつるした注射器とは違った指の感触に、
朱美の直腸粘膜がざわめいた。
(指? 
 これは指ね……よかった……
 浣腸はもう終わりなのね……)
康二は上下左右の直腸壁を
念入りに掻き回してから指を抜き、
蛍光燈の下にかざした。
「うむ、合格ですな」
「おお、合格ですか。えー、どれどれ……」
「あはは、ぼくも、ぼくも!」
少年たちは笑い転げながら、
次々に指を入れては
もうひとつの性交器官の神秘を探るのだった。
腰が抜けてしまった朱美は、
三人に担がれて二階に運び込まれた。
張り替えられたシーツの上に、
はらわたまでも磨き抜かれた女体が投げ出される。
「えへへ、ママたち呆れてたよ。
 すごい長風呂って」
食器を下げに行っていた雄太が、
小皿に移したバターと牛乳パックを手に戻ってきた。
康二が黄ばんだ歯を剥く。
「お、今度は牛乳浣腸か?」
「違うよ。飲まず食わずじゃ、
 朱美さんがまいってしまうからね」
邦夫がベッドの上の朱美を小突いた。
「もうまいってるって。
 ま、それはそうと、
 徹まんは体力勝負だからな。
 おい、朱美、起きろ」
雄太は薄情な仲間たちを睨みつけてから、
朱美の枕元に座った。
「朱美さん。はい、これ飲んで」
化粧がすっかり落ちたせいか、
朱美は少女のような透明感があった。
「……あ、ありがとう」
朱美は雄太にもたれ掛かり、
五〇〇ミリリットルもの牛乳を飲み干した。
「お腹は空いてない? 
 なんか持ってこようか?」
「これで十分よ。ごちそうさま」
「へへっ、これは食えるんだろ?」
小皿に盛られたバターを手に、
康二が割り込んできた。
指先ですくって、朱美の鼻先に突きつける。
朱美は一瞬きょとんとしたが、
康二がアナル担当だったことを
思い出して頬を引きつらせた。
「お、そうか、欲しいか? 
 じゃあ、四つん這いだ」
「いますぐ?」
「いますぐだ」
「わ、わかったわ……」
束の間の休息が終わり、
朱美は洗い立てのシーツの上で牝獣の姿勢に戻った。
散々おもちゃにした肛門に、
康二がバターを塗り始めた。
皺の一本一本、指を差し込んで肛門括約筋の内周、
さらには直腸壁にさえ、
執拗にバターを塗布してゆく。
「ん、んっ……」
「へへっ、ここ、初めてなんだろ? 
 おれの童貞を奪ってくれたお礼に、
 あんたのアナル処女を頂くぜ」
康二の男根はいつしか完全復活していた。
指を二本に増やし、人妻の直腸をねちねちとえぐる。
いすに座り、
一人涼んでいた邦夫が思い出したように言った。
「よお、いきなり4Pもないから、
 最初はおまえと雄太で3Pの練習だな」
「あ、じゃあ、ぼくはおまんこ担当?」
「ああ。おれは後から交ざるから、
 適当にやっててくれ」
「うん、わかった。えへへ、
 それじゃあ、おじゃましまーす」
雄太がいそいそとベッドに上った。
アナルいじりに当てられて、
雄太の男根も負けじと完全勃起している。
四つん這いの朱美を前後から挟み、
二人の少年が向き合った。
「康二くん。3Pて言うと、
 やっぱりあれかな?」
「そ、そうだな。おまえが下になって、
 おれが上になる、あれだよな?」
「サンドイッチってやつだね?」
「ああ、サンドイッチだ」
康二がアナルをえぐりながら言う。
二人は頭の中でそれをイメージして、
思わず射精しそうになった。
「じゃあ、始めるか。
 朱美、ちょっとどいてろ」
アナルから指を抜いて、
はやくも汗をふいている美尻をぺちっと叩いた。
膝立ちになった朱美を隅に追いやり、
まずは雄太が大の字になる。
「えへへ、なんか緊張するね」
復活した少年たちの男根は、
朱美に少なからぬ衝撃を与えていた。
たかが童貞と高をくくっていた数時間前の自分が、
ひどく浅はかに思えるほどだ。
(こ、この子たち、底なしなの……)
豊かな腰に疲労を蓄積させている朱美には、
もう攻めの気持ちは微塵もなかった。
土台、
やりたい盛りの中学生三人を向こうにまわして、
性技でやり込めることなど無理な話だったのだ。
正直、
もうどうにでもしてくれという心境だった。
日が昇るまでの乱痴気騒ぎと思えば、
滅入る気持ちも奮い立つ。
そしてなにより、
首に巻かれた赤い輪ゴムのためにも……。
「朱美さん、はやくはやく」
成人男性並みの男根を揺すって、雄太が催促した。
「ふふ、せっかちね……」
朱美は白い太腿を横一文字に割り開いて、
雄太を跨いだ。
幾重にも折り畳まれた肉襞がきらきら光り輝いてる。
一度はシャワーで鎮めたものの、
浣腸責めやアナルいじりを受けているうちに、
再び燃え上がってしまったのだ。
「朱美さん、ぬるぬるだよ? もう感じてるの?」
「さあ、どうかしら……」
朱美は微笑みながら腰を落とし、
雄太を真上からくわえ込んだ。
「うっ!」
「あ……」
「ああ……
 やっぱり朱美さんのおまんこは気持ちいいよ。
 ね、朱美さんも気持ちいい?」
「ふふ、雄太くん次第かな……」
朱美は膣をきゅきゅっと締めて、
雄太をからかった。
「へへっ、おれも気持ちよくしてくれよ」
後ろから覗き込んでいた康二が、
鼻息も荒く朱美の尻にのしかかってきた。
「あん! お願い、優しくしてね……」
「へへっ、あんた次第だぜ」
念入りにバターをまぶされて、
散々いじられた排泄器官は難なく
康二の男根を受け入れた。
だが、ゆるんでいるわけではない。
男根が収まるや、
食い千切らんばかりに肛門括約筋が収縮を始めた。
「わ! な、なんだここ! 
 おまんこよりきついぞ!」
(え、うそ? なにもしてないわよ?)
膣を締める動きが
そのまま肛門括約筋に連動しているのだ。
これには当の朱美も驚きだった。
アナルを犯されたという嫌悪感は
どこかに飛んでしまい、
女体の神秘に舌を巻いている。
(ふふ、今度試してみようかしら、アナル……)
今日の体験を容認するわけではないが、
性の可能性をいろいろ知り得たことは
ひとつの側面だった。
そう思えば、
少年二人に挟まれた
この惨めな状況にも救いが出てくる。
一方、落ち着きを取り戻した康二は、
薄い粘膜越しに互いの男根が
接触していることに気づいていた。
さっそく、射精しない程度に腰を動かして、
雄太にちょっかいを出す。
「へへっ、雄太。わかるか?」
「あ、これ、康二くん?」
「あはは! それそれ! これでどうだ!」
「うわあ、なんか変な気分……。
 女の人の体って不思議だね」
「へへっ、女ってのは最高のおもちゃだぜ。
 雄太、そろそろ始めるか?」
「あ、ちょっと待って。もう少しこのままでいようよ」
「えー、なんでだよ?」
「だってさ、すぐ出しちゃうのって、
 なんかもったいなくない?」
「うーん、それもそうだな。
 しばらくこのままでいるか。結構、気持ちいいし」
つい先程、一週間分の射精をした少年たちに焦りはない。
体をしっかり密着させると相手の鼓動まで伝わってくる。
肌に触れた指を一センチ動かしただけでも、
女体は様々な反応を返してくる。
それを愉しむ余裕がある。
それは朱美にとっても同じだった。
膣をわずかに締めるだけで、
体奥に埋め込まれた二本の男根がぴくっと動いたり、
ひくひく痙攣したりする。奇妙な一体感だった。
折り重なった三人はしばしの間、
荒淫の気だるさもあって、
静かなまどろみに落ちていた。
一人蚊帳の外にいる邦夫さえも、
どこか穏やかな気分になっている。
夏の夜が緩慢に更けてゆく。
やがてどこからともなく、
粘膜同士が戯れる音が漏れ聞こえてきた。
朱美と雄太が互いの口を重ね、
舌を絡ませ始めたのだ。
「ん、あん……」
後ろから被さっている康二は、
朱美の耳たぶを舌を這わせて、
甘い吐息を絞り取った。
朱美は誘いに応じ、
首をひねって康二にも舌を与える。
すると雄太は朱美の白い首筋を舐めつつ、
両手で臀部を撫で回し始めた。
「ああ、いい……。
 雄太くん、上手よ……。
 あ、あん……。
 その手は康二くんね。とってもいいわ……」
朱美の乳房は康二の両手に包まれている。
さするような動きの連続に、
朱美の乳首はこりこりに勃起してしまった。
「んふっ……。あっ……。あん……」」
康二から雄太、雄太から康二へと、
朱美は惜しみなく舌を差し出した。
まるで青白い炎のように、
三人の絡み合いは静かに続いてゆく。
そのまどろみに終焉を告げたのは、
他でもない朱美だった。
「ねえ、雄太くん、康二くん……。
 おばさんをいかせて……。
 おばさん、我慢できなくなっちゃった……」
「だ、だめだよ。ぼくも出ちゃいそうなんだ」
「お、おれもだ。あんまり強く動けないや」
汗ばむ朱美の体にしがみついて、
少年たちが甘えた声を出した。
「ねえ、
 若いんだから何度でもできるでしょう? 
 ね、お願い……」
朱美は
男根が二本も埋め込まれた腰をことさらよじって、
あからさまなおねだりを始めた。
はしたないとわかっていても、
体奥の業火は消せないほど大きい。
消せないなら焼き尽くすしかない。
「いかせてくれないなら、おばさん、
 一人でいっちゃうから」
「えへへ、朱美さんて意外とすけべなんだね」
「まあ、それはお互い様でしょう」
「へへっ、すけべならおれだって負けてないぞ。
 朱美、肛門を締めてみろ」
「こ、こう?」
朱美の尻たぶがすぼまると、
少年たちの背筋が伸びた。
「お、お、いいぞ……。
 へへっ、仕方ねえな。けつでいかせてやるか」
「ああ、きて……」
「じゃあ、ぼくはおまんこでいかせてあげるね」
「うれしいわ。みんなもたくさんいってね、
 おばさんの中で……」
ベッドがきしきしと軋み出した。
その軋み音は強くなったり、弱くなったり、
大きな周期で波を描いている。
だれかが昂ぶったときに音は大きくなり、
だれかが達したときに音が小さくなるのだ。
だが、三つの波はばらばらに弧を描き、
二つが重なることもまれだった。
それでも睦み合った三人は一時も休もうとしない。
いまだ経験したことのない大きな波を求めて、
静かに深く、
粘膜をこすり合わせ続けるのだった。


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俊彦

Author:俊彦
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